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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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ニュー・ノーマル下での精神病理

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 COVID下での自殺者の増加が報道されました。

 緊急事態宣言直後は下がっていたのですが、その少し後でジョンズ・ホプキンス大学だったかが世界的な自殺者の増加を予測し、精神疾患への保険的な対策を用意する方が良いとの発表をしていました。

 そして実際に先日、日本での数字の増加が発表された次第です。

 自殺に限らず、児童虐待や犯罪のニュースなども、多くは同根の物があるのではないでしょうか。

 社会不安からくる鬱症状が自暴自棄の犯罪を生むというのは何の不思議もない話です。

 以前にここに書いたように、鬱と言うのはそれを引き起こすたんぱく質組織が遺伝子の中にあることで引き起こされる疾患だという発表がありました。

 だとしたら、個人の性格だとか甘えだとかそういうことでは全然ない。

 全然ないのに、鬱が発症することで同じような均一化された性格傾向にされてしまうことが精神疾患の恐ろしさです。

 幸い私はその遺伝子、シス-1遺伝子と言うのがどうもなかったかー1発動がされにくいらしく、相当酷い人生の中で過労や自律神経失調症を経たりアル中になったりしながらも、鬱は発症しないで済みました。

 一方、私の尊敬する強い友人たちの中には、鬱を診断されながらも一見まったくそれが分からないくらい理性によって常態を保っていた人たちもいます。

 保ちながらも、物凄い苦しみと落ち着いて戦っていたのでしょう。

 畏敬するばかりです。

 そんなに強い人ばかりではありません。

 自ら命を断ったり、犯罪や児童虐待に走る人も当然出てくることでしょう。

 元々、日本人は自殺率が高い。

 すぐに自ら命を絶つ国風だと言ってもいいかもしれません。

 これは、あるいは韓国にも通じるところがあると思うのですが、それは儒教に由来する学歴社会という類似があるというだけではなくて、遺伝子的な共通点であるのかもしれません。

 日本人が嘘によって仮想の社会をねつ造して世間体と言う擬態の自分を装って生きると言う奇妙な風習を持っているのは、もしかしたらこのシス遺伝子が発動するのを避けるために現実を見ないようにするための対策であったのかもしれません。

 土着的に伝わっている、忌物の思想と言うのはこの鬱遺伝子を刺激しないための因習で在った可能性もあり得ます。

 そのようにして自ら見当識を麻痺させた人々と、発病して見当識がおかしくなってしまった人々でこの国の社会は出来ているのですから、それは本当に現実を見て自分の人生を生きようと思えば向かい風が強い訳です。

 これからの薬学では、個々人の遺伝子タイプに合わせたオーダーメイドの薬品が使われるようになると見なされているようです。

 おそらくは精神疾患への対策と言うのはこの課題の先端にあるものでしょう。

 原因が特定されているのなら、対策も早いかもしれません。

 だとしたら、その薬品が普及すれば、この社会の在り方そのものに大きな影響を与えるかもしれない。

 もう誰も嘘を吐いて自分を守りながら嘘の人生を生きなくてよくなるかもしれません。

 予防薬か何かを摂取した順から「あれ? なんでいままであんなこと考えてたんだ? あんなこと国中でする必要ないじゃん」と目が覚めて行くことだってあり得る。

 いまからもう、十年以上前になるのかな? 「どうして人を殺してはいけないんですか?」という質問をした子供が居ると言うことが話題になったことがありました。

「そんなこと言う子供はぶん殴ってやれ」「殺してやれ」というようなヒステリックな反応があちこちで見られて、私は非常に混乱しました。

 なぜ同種を殺すべきではないかというのは、生物学や社会学で理論的に説明できる物だろうと思うし、なんならそのようなことはありうるのだと言うことも説明できると思うからです。

 しかし、それを「論」ではなくて「情緒」で受け止めて大暴れをし始めてしまう人たちがあまりにもたくさんいて驚きました。

 これがつまり、遺伝子の中に眠るシスが刺激された反応なのではないでしょうか。

 生まれつきシス遺伝子に強く影響を受ける人々は、問題の本質に深く迫ることが難しい。

 うつ病が発動してしまう。

 だから、そこに近づいたとたんに危険意識が働いてパニック発作が起きてしまうのかもしれない。

 そしてそれは、精神疾患の浅い症状の始まりかもしれない。

 だからそういった人々は、生物の本能として問題との直面から逃避する。

 健全な生物が炎から熱を感じたら反射的に身を引くのと同じです。

 そしてこれは本能だから、ある意味でどうしようもない。この壁は誰にでも乗り越えられる物ではないのかもしれない。

 遺伝子の問題というなら、皮膚の色と同じだ。

 もし人類が本当にこの問題を薬学で乗り越えられるのだとしたら、社会はより自由で理知的な新しい次元に向かいうるでしょう。

 いま世界中に大きな影響を及ぼしている反知性主義の蔓延と言った問題も、結局はこの部分に集約されるのかもしれません。

 反知性主義=大衆的俗物性が、解消されることもあり得るかもしれない。

 その前に、日本社会を世界的な経済危機が襲い、圧倒的にシス遺伝子を発動させた人々が国中にあふれることでしょう。

 もう、これまでのように嘘の世界に引きこもって社会のお約束という共同幻想に加担していれば生きていけるという世の中ではなくなることと思われます。

 それで生き残るには、状況があまりにも過酷すぎる。

 反面、社会の嘘が有効性を失うことで、本当のことをいて自分として生きている人々にとっては理不尽な抑圧や妨害が弱まっていきやすくなる時代だとも取れます。

 そして、この世界的な災禍が通り過ぎた後の世界では、そういった人々と、いまだにうつ病社会の概念にしがみついたままうなだれている人々に二極化するのではないでしょうか。

 でっち上げられた常識や嘘に疑問を持っていた人たちにとっては、いまこそが自分らしく生きるチャンスでもあり得ます。

 パラダイム・シフトというのはそういうことです。

 これまでの世界で優位に居た人達というのは、戦後のドサクサや明治の御一新で足場を築いた人達です。

 誰にも遠慮することはありません。

 思う処のある人は、思うさま生きればよいでしょう。


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