ここのところ少し気になっていた問題がありまして、そのことについてのニュースなどがネットで出てくると目を通すということが続いていました。
その件というのは、モデルやタレントの事務所が当人の許可を得ずにAVの製作現場に所属者を送り込む、という問題でした。
これ、完全に犯罪だと思いますし、また日本で恒常的に行われているハラスメントの本質が顕れた物だと感じています。
仕事のためならあらゆる人間性を無視して強引に遂行するのが当然だとされている、日本社会の民意が露骨に反映した問題だと思い、大変に不快に感じていました。
このことに対して、私の好きなタレントさんが番組でコメントしたということがネットニュースに上がっていました。
このタレントさんは元伝統芸能の方で、発言や考え方に大変筋が通っている部分があり、私も同様の者として共感できることが多い方でした。
そのタレントさんは、現行、モデル事務所やタレント事務所に所属している女性たちに呼びかけていました。
もし、あなたが所属している会社からそのようなことを押し付けられて気が付いたら逃げ出しにくい状態になっても、絶対に逃げてください。そこで我慢しないと大人の人たちに迷惑をかけるとか考える必要はありませんし、我慢しないと目標にしていた人気タレントやアイドルになれないのかと考えることはありません。なぜなら、そのような事務所に所属していても、その入り口は目指すところには続いていないからです。その事務所には、実際にあなたが目指しているようなアイドルやモデルは居ないでしょう？
そのような内容のことでありました。
この、間違った入り口に入っている、ということを認めるということは勇気のいることです。
それまでやってきたことを否定することになるからです。
しかし、一部を否定しても全部が無駄になる訳ではないでしょう。
問題を感じる出来事があったなら、やはり真摯に検討した方がよいのではないかと思います。
私が時に安売りのしすぎだと叱られながらも情報公開をしているのは、自身がその繰り返しでどうにかここまで来ることができたからです。
いい先生を探して歩いていたころには、練習しているはずの合気や発勁をまったくしてくれない先生もいました。
身体の使い方について質問しても、なんら具体的な解決をくれない。
稽古の始まる前と終わった後で、なんの変化も自分に起きていない。
それでも下積みが足りないのではないか、自分の工夫や根性が及んでいないのではないかなどと思ったりもしたのですが、それもまた、自分が行きたいところに続いていない入り口だったのです。
精神論ではない。過程を見ることが出来ない道や、その先に結果が見えていない道は、目的に続いていないのだと思います。
だからこそ、ワークショップなどで私が発勁を入れると、みなさん吹っ飛びながらも笑ってしまっているのではないでしょうか。この入り口が続いてる先をきちんと明示しているからです。
また、上に書いたタレントさんも言っていましたが、お付き合いのある人の中には、AVが好きで初めからAVで売れたくて働いて頑張ってる人も沢山いるそうです。そういう人が選んで歩いている道と、無理やりを我慢しているのとでは、一生懸命やっている人にも失礼だとも言えます。
私自身も、納得して向上心を持って、良い作品を作ろうとしている女優さんが出演している良いAVを観ていたいです。