このところ、雨が降ってる日が多いので公園での器具を使った練功がしにくくなっています。
特に、片手でバーを掴んで行うものは滑ってしまうので少しの降りでもできなくなります。
キャリステニクス、とくにトレーニング系のキャリステニクスを専門に行っている人などは、グラブやパウダーなどのギアをしっかり活用することで無駄なく鍛えられると言う合理的な考え方をしているのですが、どうも現代キャリステニクスをしている訳ではない私は古典式の「晴耕雨読」ではないですが自然の流れに合わせて出来ることをしていた方がタオについてより学べるのではないかという気になります。
そこで、残念ですがバーにつかまりたいと言う自我を切り捨てて室内で出来るメニューに換えました。
となると、これは中国武術のメジャーな練功法鉄牛耕地(腕立て伏せ)の類と鉄板橋(ブリッジ)、逆立ちに伏虎功(プランク)などになってきます。
腕立て伏せの類で言うと、片手腕立て伏せがちょうどやりがいがあるので先日取り組んでみました。
この数か月、ディップスをしていたので腕や肩関節への負担は大丈夫だろう、との見込みでした。
しかし、この見立てには罠があったのです。
ディップスは体幹が垂直ですが、腕立て伏せになるとそうではないこと。
そして、腕立て伏せをしばらくしていなかった理由が、足に負担がかかると言うことです。
腕は強くても他の所に負担がすごいのですよ。
練功をした翌日の朝、寝床から起きられない……。
身体を動かそうとすると、仙腸関節にズキン! と衝撃が走ります。
これは、噂に聞いたぎっくりという奴か?
中国武術を始めてから腰痛は克服していたのだけれども、とうとう加齢で来るころ合いだったか? と震えましたが、ズキンと来るのは仙腸関節だけではなくて横を回って寛骨から骨のない下腹部にまで至っています。
帯状に疲労のゾーンが下腹を取り巻いている。
これは、下のバンダのラインではないですか。
中国武術で言う、腹帯の経絡です。
気功の房中術でも需要になるチャクラのある部分です。
なるほど。
他の全ての運動と同じく、私はキャリステニクスも勁で行うことで練功としています。
単純な筋力や筋弾性では行っていません。
勁で行うと言うことは、以前にも書いている外三合と丹田の功にで行うと言うことです。
腕立て伏せで足に負担が強いというのはそういうことです。
丹田を中心に、腕と脚の外三合を繋いでいるので、その勁の中心である下丹田に負担がかかったということなのでしょう。納得。
納得はしたけど動けません。
この状態、正伝を受けている日本人中国武術家が、中国でよくなると聞いたことがあります。
だいたい、初日の夜に老師に稽古をつけてもらって、朝になるとこうして動けない。
使った勁の根本が固まってしまって身動きが出来ないのです。
私もまさにその状態。ペン一本取るのにも腹帯のラインに衝撃が走ります。
このようにして、関節部の力ではなく丹田の勁を用いることで師父曰く「ソフビ人形みたいに中身が空っぽみたいな身体になる」のですが、ずいぶんとそれの可愛がりをセルフでしてしまったようです。
普通は老師に可愛がってもらう物なのに、一人で出来るのは安上がりで嬉しいのですが、まぁしんどい。
ぎっくり腰ならぬぎっくり下丹田。
ぎっくり腰とは違うので身体を悪くするということではないし回復すれば超回復で以前より段違いに強くなっていることは明白なので満足でしたが、いや、衝撃が、強い。
とはいえ、このレベルまでの練功は通常推奨されていません。
ソフビ人形の「膜」を損なう可能性のある過剰な練功に相当するためです。
「俗人には万金を積まれても教えない」とされた丹田の法、なにしろ危険性が高いのです。