マエストロ
この間、ラジオにあるヴァイオリニストの先生が出ておりまして。 私は不調法な物で全然音楽に明るくないのですが、この方は若い頃より音楽の商業化のような活動の先端に居られたかただそうで、音大時代に葉加瀬太郎さんをスカウトしていまの道へと導いた方なのだそうです。 彼と葉加瀬さんと高嶋ちさ子さんの三人でのライヴは大変な人気があるとのことなので、私以外の皆さんはご存知の方なのかもしれません。...
View Articleちいさなところで現れる。それにひっかかる。
先日、ある若い女優さんがインタビューを受けているところを耳にしまして。 そこで「これからはどんな役をしてみたいですか?」と訊かれたその女優さんは「もう30なんで、身体が動ける間にアクションをしてみたいです。こう、戦う、サイコパスみたいな」と言ったんですね。 それで、は? と引っかかりまして。 なるほど。と次に思いまして。...
View Article狂人社会の循環
前の記事でアホみたいな若い女の子たちのことを書いたけど、恐らくはそういうアホな価値観っていうのは90年代以降のこの国のサブカルチャーにおいては珍しい物じゃなくなってると思うんですよね。 メンヘラ・ブームと言っていいような物が興って、いまでも下手すれば続いている。 なんちゃってメンヘラというような自称をして自分を狂人だと装うワナビーまで目にしたことがあります。...
View Article世界を見ている人の言葉
先日、ある学者の記事に批判が殺到した。 それはいいのだけれど、内容に対して「上から目線だ」と言うような話があった。 上からでいいんだよ、専門家なんだから。 専門家に素人が「教えてやる」とかならなんで上から言うんだ、って言うのがなりたつけど、そうじゃなくて上に居る人が上から言うのは当たり前なんだよ。上からとか下からとか言ってる連中、本当に中身が無いんだろうなと思う。...
View Article少林寺への道たち 1
先日、ブラジルの阿闍梨が彼の地にて、なぞの先人の遺跡を発見したようです。 中華圏で出版されたと思しき少林七十二芸の本に、功夫雑誌の断片。 その雑誌の断片の方に、少林闘喇嘛という映画が掲載されていました。 おぉ、これは。 ラマやヨガと少林の関係とは私の研究の範疇です。 調べてみたらその映画「少林寺への道」シリーズの第四作目でした。 おぉ、あの功夫映画史に残っている名作の……。...
View Article少林寺への道たち 2
前回は中国の歴史や仏教、仙道での民話から続く功夫映画の文脈について書いてきて、その中の中核的事件である「少林寺焼き討ち」事件を描いた映画にまで話を持ってきました。 ここでちょっと注意が必要です。 というのも、この「少林寺焼き討ち」故事というのは功夫映画神話世界の中であまりに大きな出来事であるため、あって当たり前のこととして処理されているから、実際には直接描かれることが少ないのです。...
View Article〈差し込み〉 小山田問題について
ちょっとね、また、五輪関係なんでオンタイムでドロップします。 これを書いているのは7月20日です。 えー、数日前に、五輪開会式の楽曲の作曲家として選ばれたアーティストを巡る事件の顛末について書きます。 彼の人選がされたのが、確か一週間ほど前だったと思います。...
View Article少林寺への道たち 3
前回、流れの都合で書けなかったのですが、少林寺焼き討ちを果たす雍正帝の物語「少林寺への道 2 十八銅人の逆襲」には振るったラストが用意されています。 少林寺憎しの想いに燃えた雍正帝がどうにか取り潰しをしてやろうと思っているのですが、そこに官吏が報告に来るのです。「最新兵器の血滴子が完成いたしました」 それを聞いて雍正帝は「よし、それを持って少林寺に攻撃を掛けろ!」と指令を下して終わりです。...
View Article練功法と門派について
中国武術の練習中に、人のやっている練功を真似しようとする人と言うのが居ます。 これ、明らかにダメ。 以前に老師がそれをやっていた人に「これは〇〇門の基本をやっている人のための物だからあなたはやらない」と親切に教えてあげていたことがありました。 優しい。 そう。 自分に必要な物だとして師から与えられた物以外、中国武術では意味がない。 それは、自分を対象とした設計図に乗っている部品ではないのです。...
View Articleキャリステニクスと丹田の法
このところ、雨が降ってる日が多いので公園での器具を使った練功がしにくくなっています。 特に、片手でバーを掴んで行うものは滑ってしまうので少しの降りでもできなくなります。...
View Articleぎっくり丹田のその後
ぎっくり下丹田を発症した日は、動くたびにうなりを上げながら仕事をこなしました。 ズキンと神経を締め付けるような刺激が走りますが痛みでは無いですし、関節では無くて下腹の膜がメインなので身体に悪い物ではないと思っていたからです。 通常、このように膜が消耗した時には東洋医学の「同物同治」の思想に則ってハラミ肉を導入します。...
View Article白鶴拳再開
白鶴拳の練習が再開されたと書いたばかりですが、そうなのです。 これは、五祖拳を教わりたいと老師にお願いしたころに、開門拳として指示された物です。 その後、五祖拳を教えてもらえるようになって以来そのままになっていたのですが、この度、あらためて一つ一つ教えてもらえています。 老師が下さっている物は五祖拳の伝系に含まれるもので、大師が厦門のお寺に伝わっている物を学んできたのだと言います。...
View Article白鶴拳の勁法を習って
老師から、白鶴拳の発勁法を教わりました。 懇切寧寧に説明してくださって、非常に感激しました。 もう、あの白鶴拳の大切な勁法を教えてもらえているというありがたさに鼻血が止まらなくなりそうでした。 この勁法、五祖拳と同じく内臓の勁を活用するのですが、身体の節の使い方に特色があるようです。...
View Articleキツネとオオカミの神話
ニール・ゲイマンって作家さんの「アメリカン・ゴッズ」が物凄く面白い。 アメリカ大陸に、各地から移民が集まったときに持ち込まれた各民族の神々のことを描いた小説なのですが、ここで描かれている神々と言うのはあくまで人間が祀ったことで作った物として描かれており、ある種の民俗学的な存在となっています。...
View Article道の神々
先日、アメリカン・ゴッズのことを書きましたが、考えてみれば私のしていることもアメリカン・ゴッズみたいな話です。 古い伝統の中に語られていることの真実を求めて、フィールド・ワークと資料との照会を繰り返している。 仏教武術の継承者と言う視点を通して、仏教文化圏を掘り下げる、ということをしていると、様々な古い神々の存在に遭遇します。...
View Article夏のキャリステニクス
日々の習慣としてキャリステニクスをしている訳ですが、いま数年掛けの目標としているワンアーム・プルアップ(片手懸垂)の練習は、夏場は出来なくなります。 バーが汗で滑る。 あるいは、片手でバーにグリップ出来ても、いま練習過程にあるアンイーヴン・プルではグリップした手の前腕にもう片方の手で掴まって体を引き上げるので、自分の前腕が滑って登れない。 ですので、これはメニューから外すことになります。...
View Article分断の正体
これまでね、この度のパラダイム・シフトで七割の人がおいてゆかれるだろう、っていう識者の発言を参考にしているところもあったんですね。 でもね、体感で言うなら、この国においては九割は置いてかれるだろうって感じているんですね。 そのくらいをぶっちぎって行かないと、継続的な世界経済の運営は不可能だろうと思うんです。...
View Article百獣の王について
以前にね、百獣の王と名乗る芸人さんのことを何度か書きました。 初めに書いたのは彼が少林寺に修行に行ったという番組を見た時です。 二度目は、彼がその時のことを自分のラジオ番組で話していた時のことを書きました。 私は彼のラジオ番組を聴いているのです。そうしてどういう人なのか知ってみると、非常に興味深い人物だと思うようになりました。...
View Articleスポーツ界のインチキ論
少し前にも書いた、百獣の王氏の発言に関して今回も書きたいと思います。 彼は幼少時から自分の努力と学習で身を立ててきたアスリートだけあって、恐らくは自分に劣った運動能力者に関して懐疑的であるようなんですね。 ですので、多くのスポーツ・トレーナーに関してはインチキ理論だと言うようなことを発信していますし、整体なども信頼できないと話しています。...
View Articleお前は何を言っているんだという人達
映画の脚本の本を読むと「マクガフィン」という物が載っています。 マクガフィンというのは何かというと、昨劇上必要な位置にあるのだけれども、具体的には何である必要もない物、という感じの物でしょうか。 私が読んだ本にはこのように書いてありました。...
View Article