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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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信仰と生贄について 1

 最近、ニール・ゲイマンという作家と出会いまして。 これが「アメリカン・ゴッズ」という、現代消費社会における伝統的な信仰の失墜、作中で神々自身が口にする「パラダイム・シフト」を描いた作品で、なんでこれまで私が出会わなかったんだろうと不思議に思ったですが、読んでいるうちに察されてきました。...

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信仰と生贄について 2

 前回に引き続き、今回もアメリカン・ゴッズのお話から入りましょう。 かの小説では、北欧神話の神、オーディンが主要人物として描かれます。 厳密に言うなら、ヴィンランド・サガに描かれている、アメリカ大陸に最初に移住したヴァイキングたちが持ってきた、アメリカにおける信仰対象としてのオーディンと言う概念です。...

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生贄と信仰について 3

 前回は古い信仰と生贄について書きました。 今回は「アメリカン・ゴッズ」の中の新しい神々への話から始めてみましょう。 古い神々に生贄を捧げることがなくなったからと言って、人々から信仰が無くなったということはありません。 資本主義社会に生きる現代人は、テクノロジーや情報を信仰しています。...

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信仰と生贄について4

 前回までは「アメリカン・ゴッズ」 のあらすじと価値観について書いてきました。 今回からは、個人的な、伝統思想とそれにまつわる行の継承者としての観点からの考察に入りたいと思います。 前回、新しい神々の勝利は安泰で古い神々なんて相手にする必要はないと書きました。 その疑問を持ながら読んでいくと、この小説では実に見事な、北欧神話を知っている人間にはとても納得の行く方向への展開が楽しめます。...

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信仰と生贄について 5

 今回は村上春樹氏の「1Q84」から始める日でしたね。 この作品では「もはや世界にビッグ・ブラザーなど居ない。リトル・ピープルが居るだけだ」ということが明言されます。 すでに、信仰対象であるカリスマ、神ないし疑似的な神は失墜しており、小さな人間が権力を握っている、ということですね。「巨悪よりも小盗のような輩こそが悪である」という価値観のお話です。...

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信仰と生贄について 6

 前回は、自立した思考を持つ方向に世界がパラダイム・シフトしているということまでを書きました。 それが進んでゆくと、アメリカン・ゴッズに描かれた「新しい神々」への信仰は薄れてゆきます。 メディアやテクノロジーは消費か活用をする物で会って、生贄を捧げるようにして人生を傾ける物ではないという主客の正常化が進むと思われるからです。 各人がそうなった時、神々は滅びます。...

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生贄とはどういうことか

 小説「アメリカン・ゴッズ」を参考に、信仰と生贄という古代から人類が持っている習性について書きました。 この、生贄と言う習性は、洋の東西を問わずに存在しているようです。 インドではカーリー女神に生贄を捧げる信仰があったり、自らを生贄として捧げるヨガが発生したことはすでに書きました。 中国でも、生贄の儀式があったことは荘子からも読むことができます。...

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迷いと余裕

 私はまったくプロ野球に関心がないのですけれども、引退した選手の話を聴くととても面白いと言う経験を何度もしています。 やはり、自覚的に生きてきた人の話は面白い。 先日も元プロ野球選手がラジオに出ていたのですが、これが面白いことを言っていました。 彼はね、少年野球時代には外野手と言うのは比較的上手くない子が行くポジションだと思ってたんだそうなんですね。 まぁ確かに、外野は差別されていますよね。...

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五輪に関する思考実験

 この記事を執筆している現在、 東京オリンピックが強行されている最中ですが、これね、仮説ですよ。 あるいは想像ですよ。 どっかのね、あるいは色んなね、シンクタンクの人達が「あぁ、今回みたいに体制に強制的に既定路線を決行されても、国民はこのくらいの反応なんだな」と言うデータを取ってるってことは、当然充分ありますよね?...

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性センター発勁についての続報

 これまでずっと、房中術の発勁への活用について書いてきましたが、また一つ見えてきたことがあります。 少し前に、性センターと呼ばれる「中極」を活用して発勁をするのが良いと書いたのですが、たまたま先日オンライン・レッスンを受けていた時に老師が「五祖拳の発勁は白鶴拳とは違う」という話をされていまして、そこで「五祖拳は胯で発勁する」ということを言われたのですね。...

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年代別の権力の態度の変化

 最近、ある事件に関して、90年代に起きたことを時代的背景を踏まえて受け止めるべきだ、という意見が出ていたのを目にしました。 私自身90年代に育った人間ですので、いま持っている「ひどい世の中」観は確かに90年代を通過するという経験によって培われた物だと言うことになります。 なので、同じ2020年代を生きていても、0年代育ちや10年代育ちの人達とは見える物が全く違っているかもしれません。...

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信仰と生贄について 6

 前回は、自立した思考を持つ方向に世界がパラダイム・シフトしているということまでを書きました。 それが進んでゆくと、アメリカン・ゴッズに描かれた「新しい神々」への信仰は薄れてゆきます。 メディアやテクノロジーは消費か活用をする物で会って、生贄を捧げるようにして人生を傾ける物ではないという主客の正常化が進むと思われるからです。 各人がそうなった時、神々は滅びます。...

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黄飛鴻と弟子たち 1

 COVID下のいまの生活、私は伝統武芸の師父として生きているので、平素にもまして勉強をするために暮らすことにしています。 おかげで人生がより良くなって行っています。 最近は、ふと思い立って我々南派中国武術のもっとも著名な拳師、黄飛鴻師父について調べていました。 調べると言っても、実際の黄飛鴻師父に関しては、ほとんどのことが知られていません。...

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黄飛鴻と弟子たち 2

 今回は、多くの黄飛鴻物で弟子たちの兄貴分として描かれるフーこと梁寛について書きましょう。 前回、大弟子の猪肉栄を演じたのはサモ・ハンだと書きましたが、フーを演じた有名俳優と言えばユン・ピョウです。 その通りに、フーとは軽快で若者らしいキャラクターとして描かれることが多い。 ですので粗忽な若者の典型として出番が多いのですが、彼には非常にちょっと、どぎついというか、行き過ぎたところがあります。...

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黄飛鴻と弟子たち 3

 黄飛鴻の弟子たち、今回ご紹介する一人目は、凌雲階ことガイです。 この名前、作中では「雲をも越えるガイさまだ!」などと見えを切っているのですが、凌雲階という言葉自体が一つの単語になっていますので、これも武術家にありがちな二つ名で、本名不明でそれだけが残っていた人物なのかもしれませんね。 ちなみに私には托塔将という二つ名があります。托塔将の翆虎です。...

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百獣の王の根っこ

 これまで、何度か百獣の王氏について書いてきました。 職業的な処世術によって、慎重に言葉を選んで態度を抑制して表現をしてきた彼が、今回の五輪に関して語ったときに、初めてその根っこが見えたように感じたシーンがありました。【柔道/スポーツ】オリンピック連覇 金メダルおめでとう!大野将平選手のコメントに武井壮が涙【武井壮/切り抜き】 - YouTube...

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関わったら終わりの小人とその世界

 少し前に、デニス・レヘインの「過ぎ去りし世界」を読み終わりました。「運命の日」「夜を生きる」と続いているシリーズの完結編です。 一作目では第一次大戦中から始まり、スペイン風邪や警察権力の肥大を描いて現代性を驚くほどに訴えてくれました。 二作目では、キューバ問題と犯罪社会の拡大が描かれます。...

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病理の遠近 1

 私の住んでいる神奈川でおきたやまゆり園の事件から、先日で五年を迎えました。 それと関わって、事件の背景を掘り下げた話がいくつかのメディアで紹介されました。 私が初めにその掘り下げに接したのはネットニュースでだったのですが、執筆者が私が信頼していない、小山田系の90年代丸出しライダーだったのですぐには取り上げませんでした。...

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病理の遠近 2

 やまゆり園での事件における、五つの要因からの切り取りを、今回も続けましょう。 前回は三つ目の要因までを書きましたが、四つ目の要因としては、国内の問題と言う物が挙げられています。 犯人は供述の中で、障碍者のために使われている税金が無駄であるため、これを削減するべく事件を起こしたと言うことを語っています。...

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縦回転発勁私論 1

 引き続き、五祖拳を練功しており、その要素の中でも大きな割合を占める白鶴拳を日々教わっております。 私は昔からこの拳に高い関心があったことは以前にも書きましたね。 その、関心を抱きながら手が届かなかった時代に、日本にも何人か白鶴拳の先生がおりました。 まぁトンデモないインチキな自称先生はともかく、きちんとした信頼できる先生もちゃんとおりました。...

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