続・批評の必要性
まずは、こちらの記事をお読みいただければと思います。 WEB特集 “なぜ傍観したのか?”フロイドさん事件 知られざる差別の構図 | NHKニュース この警官だって悪人だとは言い切れません。 これを書いた記者の人も、現場で銃撃にあったと言っている。 そういうことが毎日ずっと続くと言う現実はある訳です。 その中で生きていることで、正気を保つと言うことは簡単なことではないでしょう。...
View ArticleHIPHOPからメジャー・リーグからこの国への評価へ
私たちの世代は、音楽の変遷がすごくあった時代なんですね。 子供の頃に聴いていた音楽は、いまはシティ・ポップと呼ばれて再評価が一大ムーヴメントとなっています。 その後、ブラック・ミュージックの時代があり、それを塗りつぶすようにハードコア・テクノの波が押し寄せて、Jポップと言う物が確立されてきました。...
View Article禄堂先生の転法輪
さて、以前に孫禄堂先生の練習ノートに書いてあった「転法輪」の気功について書きました。 禄堂先生はこれによって成ったとあるにも関わらず、万金をもってしてもこれを余人には教えない、と明記しています。 値千金という言葉がありますが、それより価値が高い万金を積んでもダメなのです。 これはつまり、内家拳武術を一般に広く公開はするけれども中核の所は教えないと言っているということです。...
View Article喫茶乞の功夫
昔、ダンスの先生に「身体を使っている時は風呂に入っている時みたいな状態で動くんだ」と言われました。 お湯につかって「ふぅ~」と思わずため息た出た時のことだろうと解釈しました。 副交感神経優位の状態ということでしょう。 これは、功夫でも同じことです。 うちではまず最初に瞑想をし、気功をして、副交感神経に切り替わったところで、それを維持したまま功夫の練習をするようにと伝わっています。...
View Article内家拳伝説 前編
少し前に、太極拳権力の成立による内家拳神話のウソについて書きましたが、今回は別角度から、ある種の民俗学として内家拳の物語についての記事を書いてみたいと思います。 この内家拳という概念、孫禄堂先生が広めたということを書きましたが、これを武当山の仙人、張三豊(張三丰) が創始した道家の武術だと言う話を広めたのは、太極拳と名乗りだした楊派一門だと言います。...
View Article内家拳伝説 後編
さて、ここでもう一度翻ってみましょう。 内家三拳とは、道教に由来する武術であり、道士達の修行場である聖山、武当山の名を取って武当派と言う、とのことですが、ここまで一人も関係者に道士が出てきていません。 孫禄堂先生も楊露禅先生も姫際可先生も、まったく道士の経歴が無い。...
View Article自然の力
いままで英語の勉強のために観ていた、バレリーナのドラマが終わってしまいました。 次のシーズンは7月からの放送だそうで、それまでの間は魔女学校を舞台にしたドラマが放送されています。 こちらは主人公たちの年齢が一回り下がっていて、より英語が私のレベルには向いているかもしれない、と思って一度眺めてみました。 そうしたら観ていておや、と引き寄せられたシーンがありまして。...
View Article内家拳の不可能性
さて、日本の中国武術界の不毛さをこのひと月、いわゆる内家拳の普及が由来であると言う視点から書いてきています。 戦前までの段階で、倭寇には剣術が輸出され、江戸期には柔術に中国武術の一部がオマージュされるということはあった物の、中華文化圏において例外的に中国武術が根付かなかったということが戦後にまで影響しているように思います。...
View Article洗髄とフィリピン武術と瞑想と借力 1
元々、色々な武術、武道、格闘技を経験してきましたが、中国武術に入るに当たってそのほとんどを捨てました。 一つだけ残したのが、フィリピン武術です。 これを初めて経験したのはもう25年以上前。ミズリのセント・ルイスででした。 日本に帰ってから改めて初めてもう20年以上になります。 中国武術より経験が長いのですが、なぜこれを残したのかと言うと、そこには瞑想の要素があると感じていたからです。...
View Article洗髄とフィリピン武術と瞑想と借力 2
はい、前回のつづきです。 フィリピン武術の自由練習と太極拳の推手は似ている。 しかしなぜ、フィリピン武術は中国武術で最重要とされている瞑想性をなぜか持っているのに対して、太極拳はそれを見失ったのか、というお話の理由です。 それは、フィリピン武術の対練には勝敗が無いからです。 私も最初は面食らいました。 これ、どうやったら勝ちなの? どうなれば終わるの?...
View Article洗髄とフィリピン武術と瞑想と借力 3
さて、前回まではフィリピン武術の組み稽古に見られる中国武術の本質について書きました。 今回は別の技法を扱いたいと思います。 それは、中国武術における借力です。 これ、我々の蔡李佛ではジェーレ(ッ)と発音します。 ジェーレとはなんでしょうか。 相手の力を借用する手法なのですけれども、これ、やはり他の技術と同じく段階があります。...
View Articleスピリチュアルの欺瞞
ここで繰り返し、オカルトとオタクとスピリチュアルは現代日本社会の人心における諸悪の源だと書いてきました。 でも、私が行っているような気功や身体操法、中国武術の世界ではこれらの悪を求める人々が満ち溢れています。 アホか。 いや待てと、気功や仙道にはずいぶんオカルトじみたところがあるではないか、という声はあるでしょう。 だから私のところにそれらを求める人が来るのは当たり前だと言う話になりましょう。...
View Article〈挿し込み〉緊急事態宣言下での五輪反対声明に関して
今回の記事は、久しぶりに挿し込み記事です。 普段の順番で書いていると、ドロップされるまでに半月はかかってしまって時制の意味を損なうと思われた時だけこのような形式でお送りいたします。 昨夜7月7日夕刻、四回目の緊急事態宣言を行うとのことが報道されました。 必然、緊急事態宣言下でオリンピックは行われるようになると言うことです。...
View Article陰陽思想での生き方
採算を合わせる、ということが陰陽思想ということだと思っているのですね。 これは、気功師であり、伝統武術の伝人、師父として自分が学んできたことです。 ここに来るまでの道のりでもそうしてきました。 結果としてより大きなことを学ばせてもらえて、ここまでこれたのでしょう。...
View Article倭寇映画の最高傑作!! 1
仏教武術の伝播の研究と、その最南端の物としての海賊武術の研究と言うのが私の二大研究テーマです。 このコンセプトの下、本を読んだり映画を観たりしていたのですが、とうとう私にとっての最高の倭寇映画と出会ってしまいました。 タイトルは「戦神 ゴッド・オブ・ウォー」。以下、ネタバレとなりますのでお気をつけください。 我々日本人からすると、これはまったく聴いたことも無い知らない映画だと思います。...
View Article倭寇映画の最高傑作!! 2
愈大猷将軍についておさらいをしてみましょう。 彼は福建省は泉州の軍人の家の生まれで、幼少時より武術を学び、のちには少林寺を訪問して武術を教えたということで知られている、名高い武術家です。 この時に少林寺に渡したマニュアルは「剣経」と言うのですが、これは江戸時代の武士たちにだいぶ読まれたようで、多くの流派の元ネタになっていると言います。...
View Article倭寇映画の最高傑作!! 3
愈大猷将軍から役目を引き継ぎ、軍備に向かった戚傾向は倭寇から回収した倭刀の切れ味を試してその製法を調査するという任務を部下に指令します。 ちゃんと倭刀が中国軍に制式されて中国武術として発展して行った歴史がここにも描かれている!! この後も、戦地に向かうまでの戚傾向将軍の旅路が描かれるのですが、ここでちょっと文芸作品としてのテーマみたいなものが描かれます。...
View Article倭寇映画の最高傑作!! 3
愈大猷将軍から役目を引き継ぎ、軍備に向かった戚傾向は倭寇から回収した倭刀の切れ味を試してその製法を調査するという任務を部下に指令します。 ちゃんと倭刀が中国軍に制式されて中国武術として発展して行った歴史がここにも描かれている!! この後も、戦地に向かうまでの戚傾向将軍の旅路が描かれるのですが、ここでちょっと文芸作品としてのテーマみたいなものが描かれます。...
View Article倭寇映画の最高傑作!! 4
官軍、倭寇方、とも内部に怪しい雲行きを孕んだまま、戦は継続されてゆきます。 倭寇の対象は孫子の用兵に則った心理作戦を用いて、兵士たちの郷里と陣地への二面攻撃をしかけます。 それによって兵たちに離間を仕掛けようと言う計略です。 郷里を守るために兵力を割いた状態で、戚家軍は倭寇の本体と戦う羽目になります。...
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