老師から、白鶴拳の発勁法を教わりました。
懇切寧寧に説明してくださって、非常に感激しました。
もう、あの白鶴拳の大切な勁法を教えてもらえているというありがたさに鼻血が止まらなくなりそうでした。
この勁法、五祖拳と同じく内臓の勁を活用するのですが、身体の節の使い方に特色があるようです。
私が好きな形に現れない暗の勁でバットでぶん殴ったり軽トラではねるような力を生み出す物ではなく、相手の身体に入れ込んでゆくような物のようで、見た目にも大きく顕れます。
白鶴拳に、福建省永春県で他の武術が加えられた物を、昔は永春の拳と呼んでいたようです。
これがやがて永春(ヨンチュン)拳となって、これが簡化されて詠春(ウィンチュン)となった物だと現状察しています。
白鶴拳、五祖拳、永春拳までは母拳である三戦があるのですが、ウィンチュンとなるとなくなっています。
なので、永春拳までは発勁の動作が出ているのですが、ウィンチュンではなくなっています。
兵器も削られ、気功もなくなっています。
パラダイム・シフトの前後での変化が明確です。
今回教わっている古い勁法は、毎日500回から1000回を三か月から半年ほどやると功が出来てくる練功法だと言います。
もう私はそういう物が大好きなので、ひたすらやり続けている次第です。
この方法、私が自分の生徒さんたちにまっさきに渡す築基功との共通性が極めて高い。
いくつもの築基功を組み合わせて一つの練功にしているような感じです。
こういう物は本当に宝です。
招式はいくらでも摸倣できます。
その結果、他人と較べっこをして勝ることも出来る。
しかし、勁法はそういう物ではありません。
「昔の武術ではこういう物はブラック・ボックスでまずは生徒には教えなかった」と老師は言われました。
ですが、「今ではホワイト・ボックスとして公開してゆく」とのことで、真実ありがたい限りです。
多くの中国武術が、ブラック・ボックスを固く閉じたまま埋められ、簡略化され、形骸化してきました。
その中身を与えられた我々は、誠実にこれらを身に染み込ませてゆきたいところです。