前回に書いた日のレッスンで、実はもう一つ感動したことがありました。
それは、五祖拳の四つもある基本套路の内の最後の一つ、三角揺を少し見せていただけたことです。
以前に、五祖拳は白鶴拳類であるのに白鶴拳的ではなく、太祖拳の要素が色濃いということを書きました。
自分の段階において、教わったこととやっている所見とから出てきた意見です。
これが、三角揺になったら、ものすごく白鶴拳に見えました。
おぉ。
段階での変化の過程か。
中国武術ではこのように、段階においてまったく違う様相に至ることがあります。
にしても、この、ごつい五祖拳から滑らかな白鶴拳への変化、すごい。
以前から書いてきた「エゴでは無い物」の働きのままに舞いうねっているように見えます。
しっかりとした剛直な構造の上に、その柔の段階があるということなのでしょう。
確かな土台の上に自由が訪れるということをそこから見て取ることが出来ます。
白鶴拳文化の中には、太祖化鶴という言葉があるのを見たことがあります。
太祖拳が転じて白鶴拳になったということを著す故事であると同時に、こうして内部での練功の段階を表現した言葉でもあるのでしょう。
その歴史の流れを、こうして自身の身体で体感することが出来る。
これはものすごいことです。
これは、伝統武術においてしか感じられることではない。
あぁ。
なんて美しい構造なんだ。