前回ウクライナ情勢について書いてからだいぶ時間が経ちました。
本日は3月8日です。この記事に着手したのが2月25日で、実際にドロップされるのはさらに半月以上後になるでしょうか。
私がいつも書いているこの場はニュース・サイトではないので、情勢の先進性に関しては常に遅れがちになります。
そのために、先走って不確かな情報を発信しないように気を付けることが可能です。
また逆に、世界情勢に関して予測をしている物がその通りになっても、特に褒められるようなことにはなりません。
同時に、同様に発信をしている個人に関する記事は、炎上のような物に乗っかった軽佻な個人攻撃にならずには済むかもしれません。
今回は、あるロシア人ユーチューバーの人について書くことになります。
私はテレビは観ないし、ユーチューブもみんなに人気があるようなエンターテインメント系の物も見ず、もっぱら学問に関係する物やトレーニングのHOW TO、日常の疑問に繋がっている物を視聴するために活用することが多いです。
外国人ユーチューバーの動画などは各国の日常や一般の意見を知るために大変参考になるので、比較的よく鑑賞しています。
その中の1コンテンツに、在日八年以上のロシア人ユーチューバーのチャンネルがありました。
ユーチューバーと言っても彼女の場合は日本在住なので、自分たちで撮って自分たちで配信しているような無邪気な物ではなく、事務所に所属して職業としてやっているタイプの配信者です。
少し前、まだロシアが侵攻をする前の段階だった時に、彼女がロシア人の視点でウクライナ国境際でのロシアの大規模な「軍事演習」について解説するという動画を配信しました。
これは私には非常に興味深い動画です。
世界情勢を俯瞰した視点から見るのではなく、等身大の現地の感覚が知れるということは実に貴重な物になります。
私の望んだとおり、彼女の解説は大変に希少な目線の高さのモノでした。
まず初めに、彼女「日本での報道は欧米側の物に偏っている。ロシアで伝えられている本当のことは全然違うんですね。今日はそのことについて話したいと思います」という切り口から入ってくれました。これこそまさに私が知りたかったことです。
結果、彼女が話したのは、「ロシアが侵攻なんてそんな悪いことする訳がない。そういうのはみんな西側の情報戦で、彼らはいつもロシアを悪者にしようとする。ロシアとウクライナは同じスラヴの国で元々国境も無いような、家族の国です。日本の皆さんはどうか理性的になってください、戦争なんてするわけないじゃないですか」という物でした。
これは、陰謀論だと言い換えても差し支えない処でしょう。
もっとも近いところに居る自分は本当のことを知っていて、他人は知らない、本当のことの根拠は不正に独裁政権を維持している当局であり、その意見は正しくてそれを知らない他者は「理性的でない」と言う、強烈に一方的な視点の物だったと記憶しています。
侵攻当日、この記事を書くに当たって再度動画を見直そうとして表現を正しく引用しようとしたのですが、すでにアーカイヴからは削除されていましたので、大要であることをご了承いただきたいと思います。
あれは非常に貴重な映像だったので、洗脳されている愛国者の実態として記録に残して置いてほしい物でした。
ロシア侵攻直後、まだ情勢に関して現在の見解に落ち着くまでの間には、テレビ局の撮影した現地ロシア人のインタビューにも同様の物がありました。
「(ウクライナ侵攻に関して)当然だよ。もっと早くやるべきだった」と彼は笑いながら言っていました。
ヒゲの生えた肉体労働者風の男性で、取材者がかなり狙って撮影した記録であることが想像されます。
対して、ユーチューバーの彼女は、もう八年以上も日本に住んでいる国際人です。
また、ロシアでの情報統制にもいささか懐疑は持っていて「ロシアに居たころは日本人は敵性国の人間で敵意を持っていると教わってきたけど来てみたらそうではなかった」と過去の動画では語っていました。
しかし、それでもやはり、刷り込まれた愛国心と言う物は冷静な判断をもたらすことは無かった。
まぁ、冷静かどうかというのは性格にもよります。
もちろん以前に書いた、知識と知性と理性の話の通りに、知性や理性に今回は足りない物があったということには間違いがないでしょう。
非常にセンシティヴな表現をしますが、国際人とはいえ彼女はロシア人です。
ロシア人と言うのは、世界の田舎者です。
いつも通りの私の差別的表現ですが、実際に一次産業に依存していて世界的なメーカーなどは聴くことが無い。
また、情報が制限されていて自由な認識と発言が規制されている。
それが国の施策であるために、世界的に先進的で開明的なレベルに国民が育ちようがない。
これが、かねてから書いてきたロシア人と言うのは被差別階級の三流白人がアジア支配に乗り出してきて、市民の育成が行われずに小作人や農奴の国のまま現在に至っている、ということの実態だったのではないでしょうか。
貧しい者、知的レベルが低い者が愛国者になる可能性が高いということの典型例を見たように思います。
これは決して、他人事ではありません。
以下次回に続けましょう。
つづく