3月15日に、三度目のワクチン接種を受けました。
3月18日現在に至るまで、特に激しい副反応はありません。前回までと同じです。
前二回はファイザー社製のワクチンを打ったのですが、今回はモデルナ社製の物を受けました。
モデルナ・アームなどと言って筋肉が腫れあがる現象が知られていますが、前二回の時も筋肉は炎症を起こしました。
腕のみならず各所の筋肉がしばらくの間攣りやすくなり、練功やキャリステニクスで厄介な目にあうことが二か月くらいかな? 続きました。
いまにして思えば今回、ちょっと厳しいタイミングでワクチンを接種しました。
というのも、老師から教わっている通背拳(通臂拳)の将来の練功に備えて基本功をやっている時期で、身体に影響が出始めている頃合だったのですね。
これは、新しい拳法をやるたびに起ります。
再三書いてきたように、中国武術とは人体改造法なので、各門ごとにチューンナップされる身体の方向性が変わります。
蔡李佛の時もそうでしたし、五祖拳の時もそうでした。
別の拳法で下地があるからといって、再改造が無いわけではないようです。
もしもなければそれは、身体に効果が出ていないということだと思われます。
通背と蔡李佛は非常に似ているというのは老師の言葉です。
ですので、今回は改造の反動が起きないかなと思っていたのですが、がっつり起きました。
通背と名のつく武術はその名の通り通背という要訣が重要であると思われます。
これは左右の手が背中の中で繋がっている、という意味です。
ですので、そのような身体になるように改造が行われます。
蔡李佛でも共通性のある物が重視されており、これは通背ではなく鉄線という表現をされています。
鉄線勁です。
体内を走るこの線で左右の手や他の部分が繋がっているのですが、これを使って通背をやっていれば通背拳にはなりません。
そこで持ち前のこの勁を使わないで練習をしていました。当然。
するとまあ、本当に通背の部分に劇的な改造効果が。
私が生徒さんに言う時には、体幹の四階と三階と呼ぶ層の部分が「通背」の言葉で表される部分であろうかと思われるのですが、この辺りの内側が疲労して痛みます。
可動域が広がったり、膜の強度が増したりしているのでしょう。
蔡李佛では鉄線の語の通り、腕は鉄パイプのように、あるいは鉄線が入ったように扱われるのですが、通背は鞭勁と言われるように腕は放鬆されて身体で腕を支えます。
腕の自重も威力の反作用もそうするので、体幹部に負担がかかり、強化がされます。
そこでまぁ、これが疲れる。
完成すれば落ち着くのでしょうが、いままさに大規模工事の真っ最中です。
そのタイミングでのワクチン接種、体内炎症。
接種当日の夜はほんのり改造中の炎症が強くなったかな、というのと腹直筋下部の痙攣があったくらいでした。
日ごろから練功をしていればこういうことはよくあるので気にしていなかったのですが、次の夜にピークが来ました。
脇の下当たりを中心にうずいてうずいて。
モデルナ・アームならぬモデルナ通背です。
わきの下当たりというのは、前は小胸筋、大胸筋に繋がっており、これは腕と胴体を繋ぐ肩の靭帯があります。
側面は肋骨に繋がっていて横隔膜、中丹田に通じます。
後ろ側には肩甲骨があり、これは非常に細かい関節とローテーター・カフという微妙なインナー・マッスルのある場所です。
これら三つの総合的な場所とその連動を含めて通背だということなのでしょう。
心意拳でもこの要素は熊吊膀と呼ばれていることは有名ですが、南派ではこれらの力を腋力と呼びます。
以前に少林拳では腕を前脚と見なして体動を動物化させるので、胸は後ろ脚におけるお尻に相当すると書きましたが、腋は下半身での股関節に対応します。
肩甲骨は仙腸関節でしょう。
これらは非常に重要なところとなります。
お尻や仙腸関節の中には丹田があります。
三つある丹田の内の下丹田です。
先ほど書いた、日ごろから痙攣しがちな腹直筋下部の辺りですね。
上半身のお尻と仙腸関節の中には、中丹田があります。
これは日本武道には普及していない概念です。
大抵は西洋式に腕力で腕を振り回してしまう。
しかし、ここにも丹田があって内側からの力の働きを司っています。