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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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水インフラと世界情勢

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 先日ね、天気予報を見ようとテレビをつけたところ、たまたまプーチン氏の政治活動を辿る映像が流れました。

 そこで、2001年だか2002年くらいの頃のプロパガンダ映像が放送されていたのですが、テレビ越しに国民がプーチンさんに嘆願をするのを、本人が直接答える、という物だったのですね。

 その時に、ロシアの地方の村の人たちが嘆願していたのが「うちの村にも水道をお願いします」という物でした。

 ロシアというのは、21世紀の現在でもまだ全土に水道が通ってはいません。

 これはいまでもそうです。

 ローマでは紀元前ですら上下水道完備だったというのに、いまだにかの国ではそうではない。

 そういう国が核武装をし、侵攻をしている。

 現在世論に浮かび始めている、ロシアは本気の北朝鮮だというのが、存外に相似性をよく捉えているのではないかと言った感が湧きます。 

 日本に居ると、かつては「安全と水はタダ」だという言葉があったように水などは「湯水のように使う」物だと考えてしまいますが、これは世界的には決して当たり前のことではありません。

 実は国際感覚と言うのは、言語や経済感覚よりもこの辺りの生活感覚なのではないかという気も少しします。

 以前にも何度か書いたのですが、水洗トイレにトイレット・ペーパーを流せるというのは日本の高等技術です。

 これはフィリピンなどでは出来ないことで、便器に水を流すと詰まってしまうので、使用後の紙はブース内にあるサニタリー・ボックスにすてないといけません。

 これは決して後進国だからとは言い切れず、すでに経済的には日本を抜いた韓国でも同様だと言います。

 そう考えれば、あれだけ広大な国土を抱えながら発展がイマイチ進んでいないロシアで水道が完備されていないのは納得が行く感じがします。

 戦争の報道だけ見ると、ロシアと言うのは恐ろしい大国であるように感じますが、そのような貧困にあえぐ国でもあるという側面も見落としたくはないところです。

 これは旧ソ連時代から続いていることで、沢山のハリウッド・アクション映画で悪の帝国として描かれてきて、世界中にスパイを送り込み、スペツナズ・ナイフなんて特殊技術のナイフを用いたり、私も学んでいたコマンド・サンボやいまでも支持されているシステマなどの独自の身体技術を用いるなんてことが恐ろし気に語られていましたが、ペレストロイカで鉄のカーテンが開けたら、単に巨大な貧しい寒村だった。

 お金がなくてまっとうな兵器の安定した実装が出来ないから、ナイフにカラクリをしたり兵隊さんの肉体を鍛えさせてるだけだったという。

 兵器は演習だけでも莫大なお金がかかりますからね。

 以前にも書いたように、広大で政府による手が回りきっていないロシアでは、いまだにそこらに朽ち果てた戦車が転がっていて、前の戦争の後始末がされないままほったらかしになっているような地域があるといいます。

 以前にロシア文学の先生で現地で研究をしていた方が話してらしたのですが、ロシア人と言うのは会ってみるとみな素朴でおおらかだと言います。

 そして同時に、さすがは文学者だけあって見抜いていたのですが、素朴でおおらかであると言うのは、善良であるというのとは違うのだとおっしゃるのです。

 これは、日本人も大いに見直すべき見解ではないでしょうか。

 我々も長い間、自分たちは貧乏で世界の田舎者だという認識でいました。まぁ、昭和生まれだから平成後期生まれとはまた認識が違うかもしれませんが。

 その昭和の感覚では、素朴でおおらかというのは非常に大きな社会的権威を持つ「正義」でした。

 でも、そうではない。

 素朴でおおらかは上に命じられれば唯々諾々と戦争に行き、人を殺します。

 清貧の思想という物が、どれだけ権力者から都合の良い人間を大量生産するために意図的に捲かれたプロパガンダであるのかを改めて意識し、根本から見直すべきではないでしょうか。

 素朴でおおらかで清貧な大衆であることを由とせず、高度な認識能力とそれによる発言、行動に責任を持つ市民であることを是とする価値観にシフトする必要があるように私には思えます。

 人権団体、ヒューマン・ライツによると、ウクライナでは大量の戦争犯罪が行われていると言います。

 現地ジャーナリストによると、実行犯はアジア系のロシア人だったという情報があります。

 これは、ロシアにおいてアジア系の生活環境がより低いという背景があるためだと言います。

 冒頭でご紹介した水道整備の嘆願をしていたのは、それでも白人種のロシア人でした。

 偶然テレビで目にするたびに注意をしているのですが、ロシアに関する報道で非白色ロシア人を目にすることはありません。

 これは、意図的に現地で画面に映ることを避けているのではないでしょうか。

 アジア系ロシア人は貧しい環境に暮らし、一家にトイレもないというフィリピンのスラムに近い環境で暮らしている人が多いと言います。

 そういった環境にある人々が、戦争で犯罪を犯しているというのは、上層部の指示で汚れ仕事をさせられている見るのが自然でしょう。

 かつて日本が大陸で行った、殺す、燃やす、奪うの三光作戦と同じ掠奪戦略を実行する役割をさせられている。

 おそらく、もし戦争裁判に至れば実行者を切り捨てる予定の選択でしょう。

 

 余談ですが、かつて満州からの引き上げ時に、共産党との共闘で攻め込んできていたソ連兵による略奪、殺りく、強姦は歴史に名高いところですが、この時のソ連兵というのは、もちろんですが白色ロシア人だけではなく、コサックやアジア人も含まれていました。

 アジア人やコサック、ロシア人が残酷だという結論に行くのは早計です。

 おそらくは、そのような戦略思想が歴史的に根付いているという解釈が正しいのではないでしょうか。


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