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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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心と生き方が教育される

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 平素、ラジオを良く聴いていて世界情勢のニュースがいつでも入ってくるようにしているのですが、そのために流している番組の一つに、あるアイドルのオンナの子がやっている物があるのですね。

 この子がまだ若いのですが、子供の頃からやっていてキャリアとしてはベテラン、しかし、集団アイドルの中でずっと日陰者だったらしいという複雑な経歴の子のようなのですね。

 私はアイドルは知らないしテレビも見ないので彼女とすれ違っても気づかない自信があるのですが、そもそも彼女はテレビに出ても映らないということをネタにしているような立ち位置だそうなのです。

 そのために、アイドルではない割と本格的なFMDJ的な活動への一歩としていまはラジオをやっているということのようなのですが、気の毒に先日COVIDに罹患しまして、二週間お休みをしました。

 その間、代理として番組のパーソナリティをしていたのは、脱退した同じアイドル・グループの先輩一人を除いては割と渋めの顔ぶれでした。

 長年同局で番組を持っているいわゆる「FMのお姉さん」的ベテランDJが代打を果たしたり、また脳科学者の茂木先生がやったりしていました。

 復帰後、彼女は代理を務めてくれた皆さんに感謝の気持ちを伝えていたのですが、同時に、自分の代理として若いアイドルの女の子を選択しなかったスタッフの心遣いにも感謝していました。

 なんというか「こっちの子の方がいいじゃん」と取られることを気にしていたようなのですね。

 何分、彼女はベテランのいまいち売れないアイドル、自分の立ち位置に非常にコンプレックスがあるのでしょうし、かといって一般社会の経験もない。

 いわば、世界を甘受する土台をたぶん、あまり強く保持していないのではないのかな。

 アイドルの立場でそういう、自分の既得権益の奪い合い、席の取り合いみたいなことを生々しく発信するのっていまは普通なのかな?

 そういう、誰かに奪われて、自分も奪うという価値観は恐らくこの国に生まれ育つと自然に刷り込まれてゆく物だと思われます。

 植民地時代のフィリピンの独立運動に参加して、武力よりも教育こそが人を自由にするのだと説いたホセ・リサール先生の著書には「学校を苦痛の場ではなく知的な楽しみの場所に使用。教育と言うのは子供に可能性の翼を与えることなのに、植民地の多くの学校と言うのは教鞭と言う鞭を持った教師と言う看取の支配する監獄となっている。子供たちの自由な魂を育むどころか鋳型にはめ込んで荒廃させるばかりだ」と書いています。

 彼は愚民化教育によって国民の精神を支配することが生き方を管理して植民地を運営する手段なのだとしているのですね。

 それを解いて人々の生き方を良くし、個々人を自由にすることが国の自由に繋がると考えている。

 そんな彼にとっての知への視点としては「臆病とは奴隷への入り口。無知は奴隷の同義語だ」との描写があります。

 子供たちを鋳型にはめ込んで魂を荒廃させ、無知な奴隷へと仕立て上げて行く。少なくともこれは、私たちが子供の頃には普通に行われていた教育であるように思われます。

 そのようにして育てられた大人が愚かな警察官や、恥を知らない腐敗した司法関係者になり、この国をどんどん悪くさせてゆく。

 彼らの社会で育った若者たちは、どうしてもその影響を受けてしまう。

 間違いなく、少しづつ改善されて行っている問題だとは思うのですが、常々我々はこの古い価値観の社会通念に対して、注意深く接してゆく必要があるように思います。


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