道化と宮廷 1
おそらくこの記事がドロップされるころにはすっかり古くなっているでしょう、アカデミー平手打ち事件についていくつかの視点とレイヤーから書いてみます。 実際に起きた出来事というのは、視界のスタンダップ・コメディアンのクリス・ロック氏が受賞者のウィル・スミス(A.K.A...
View Article道化と宮廷 2
ハリウッド、およびアメリカのセレモニーと言うのは、当然西洋社会の社交界が土台になっています。いまだに。 今回着目したのはそこなんですね。 これだけ多様化の方向にパラダイム・シフトをしているというのに、年に一回のアカデミーではまだそこに対応できてないのではなないのかもしれない、というのが懸念されるのです。 2016年、オスカー・ソー・ホワイトというハッシュタグで問題提起が行われました。...
View Article道化と宮廷 3
前回では、セレブリティな社交界のムードそのものがもう時代的に圧迫される時期に来ているのではないか、ということを書きました。 このような、既存の価値観を否定して更新を求める運動を「Time’sUp」と言います。 この運動を代表する俳優の一人として知られているのが、XーMENのストーム役でおなじみのハル・ベリーです。 2002年、彼女は黒人女性の俳優としてアカデミー主演女優賞を受賞しました。...
View Article心と生き方が教育される
平素、ラジオを良く聴いていて世界情勢のニュースがいつでも入ってくるようにしているのですが、そのために流している番組の一つに、あるアイドルのオンナの子がやっている物があるのですね。 この子がまだ若いのですが、子供の頃からやっていてキャリアとしてはベテラン、しかし、集団アイドルの中でずっと日陰者だったらしいという複雑な経歴の子のようなのですね。...
View Article進捗の違い
五祖拳が、難しい……。 改めてそう感じています。 というのも最近、鍼灸学校に入学いたしまして、非常に時間と行動力の不足に苦心しているので、練習時間が非常に限られるようになってきています。 その中で、どうしても養生功は欠かせない。 套路は時間を食うので、通背の基本功をやることが多くなります。 そうすると、これがやればやるほどに、やるごとに良くなっていく感じがあります。...
View Article陰謀の正体
先日、スクーターで街を走っていると前方で蛇行運転をするワゴン車に出くわしました。 うわ、あぶね、と思って車線変更をして側面から車を確認したのですが、あおり運転のようなことをしていたのは政治家の宣伝車両であるようでした。...
View Article学びと鈍気
鍼灸学校での新生活が始まっており、忙しい日々が続いています。 元々日が暮れると寝床に入って20時くらいには眠るという生活をしていたのを、一年くらいかけて学校に通える時間の生活サイクルに調整はしていたのですが、その状態でこれまで通りに働いてプラス学校となると明らかにリソース不足です。...
View Article色んなマノマノ
フィリピン武術はその呼び名の一つである「エスクリマ」が剣術を意味しているようにフェンシングから派生した物ですが、そこから発展してナイフや銃器など多くの部門に応用が拡充されてきました。 その中で徒手の物をマノマノと言います。 このマノマノは元々フェンシングの中にあった物とは別物として再編集されています。...
View Articleあらためてタオについて 1・なぜ現代日本人には伝統思想が届かないのか
これまで十年位、延々老荘思想を実体として行う東洋伝統身体文化の継承者としての発信をしてきました。 それは主に、陰陽思想、タオの考えを基にした視点からの発信です。 近年、そこからより踏み込んで仏教の色を強くしていますが、それもまた中国思想としての仏教、いわゆる佛教というアングルからの物になります。...
View Articleあらためてタオについて 2・白人優位主義の始まり
前回書いた今回の記事の執筆の動機その2ですが、これはですね、実際に私が人に合ってタオについてお話をしても、どうしても話が通じない、ということが多々あるというものです。 初めに明言しますが、私はビリーバーではありません。 タオの思想を伝統文化の研究者として愛好してはいますが、私自身がそちらの思想に信仰を抱いている、ということはありません。...
View Articleあらためてタオについて 3・東西の最前線
前回は白人優位主義の始まりについてお話しました。 あんな300の時代ことを、未だに西洋人は重視しているのです。 20世紀まで、神聖ローマ帝国という物が現実に存在していました。 ローマの国境であったキリスト教は現在、ローマン・カトリックとして相変わらず精神的影響力を極めて強く持っています。...
View Articleあらためてタオについて 4・不明
前回まで、三回に渡って東西の文化の境界について書いてきました。 それらの2000年の歴史の結果、現在我々はプロテスタント派資本主義勢力の極東支部と言う文化的環境に住まっております。 確認なのですが、皆様の中にご自身の家系の家紋がお分かりの方はどのくらいおいでになるでしょうか? それを付けた装束をお持ちの方は? また、和服そのものをご自身で纏われることが可能な方はどれくらいおられるでしょう。...
View Articleあらためてタオについて 5・やっと性の話
私たち現代日本人の多くは、本当は何も分からないのだ、ということを前回書きました。 分からないのですが生きなければなりません。 そこで生きているうちに何やら慣れてきます。 慣れてくるのですが何も分かっていない。 こういうのを悪ずれと言うのじゃないのかな。 いずれにせよ、分からなくても知性はありますのでやってきたことが人格を形成してきます。...
View Articleあらためてタオについて 6・セックスアピールとバナナ
アジアから切り離されたまま、西洋文化の表層にだけ立たされている現代日本人は伝統的なアジアの思想についてまったく理解が出来ないということを書きました。 すでに、現代日本人の多くにはアジア文化が持っていた感性を理解することが難しくなっている。 例えば、伝統的な祭祀である御柱やだんじりのような危険な奇祭を見ても、意味が分からない。 あれらは要するに、男根崇拝ですね。...
View Articleあらためてタオについて 8・哲学と信仰の違い
老子先生の道徳経について前回は書きました。 おそらくそれほど難しくない、わかりやすい内容だったと思います。 ではなぜこれが理解されなくなったのか。 一つの要因が、道教の存在です。 タオと道教を混同するという誤解が理解のされなさに繋がります。 これは、西洋哲学の先生も著書の中で書いてしまっている間違いなのですが、東洋思想の中の人から言うと両者は全然違うのです。...
View Articleあらためてタオについて 9・アンチテーゼ
前回は、神の死を叫んだニーチェ君の無神論に遥かに先んじて中国では荘子が神様に引導を渡していたことを書きました。 荘子は紀元前四世紀くらいの人だとされていますので、ずいぶん早かったなと思いますが、古代ギリシャでもすでに神を取っ払うところから哲学が生まれていたのでこれは対等。...
View Articleあらためてタオについて 10・国教の変遷
前回は儒教という宗教について述べました。 彼らの思想は中華中に浸透して、後には徳川幕府の基盤となり、いまの我々のサラリーマン社会にまで通底しています。 良い塾に行き、良い学校に受かって良い就職先に入って出世しよう、というライフモデルは彼らが作ったものです。 塾と言う学習制度や試験による採用というのは儒教によって行われていたものです。 この儒教の体制が揺らいだことがあります。...
View Articleあらためてタオについて 11・ゆっくりな生き方
前回は、中華において仏教が普及し、三教を混交して行ったということを書きました。 そこから世界的に画期的な禅宗というスタンスが生まれたのですが、この禅にはタオの影響が非常に大きく見られます。 というのは、中国においては禅のような瞑想は導引、気功として行われてきたからです。 漢籍におけるそのルーツは、荘子の中に観られます。...
View Articleあらためてタオについて 12・イデアと老荘
さて前回、老荘が求める生の質とは何かを書くというお約束をしました。 この生の質、クオリティ・オブ・ライフと言う言葉、最近は俗用されて随分安っぽい言葉になっていますが、この言葉の背景には西洋哲学があります。 元々、西洋哲学と言う物が世界の本質を理解するための思想だということは書きました。 これを「本質看取」と言います。...
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