前回は白人優位主義の始まりについてお話しました。
あんな300の時代ことを、未だに西洋人は重視しているのです。
20世紀まで、神聖ローマ帝国という物が現実に存在していました。
ローマの国境であったキリスト教は現在、ローマン・カトリックとして相変わらず精神的影響力を極めて強く持っています。
カトリックから分派したプロテスタントは、資本主義という思想を創始して現在の世界情勢において最大の勢力となったと言っても良いでしょう。
これらの思想の世界への普及の過程にあるのが、中国のアヘン戦争で在り、本朝の文明開化、および第二次大戦の敗北です。
この経緯によって我々日本はプロテスタント社会観における極東ショーケースの国となりました。
北上したロシアにおいて、なぜプーチンさんがあれほどNATOに拘るのかと言えば、北部におけるそのプロテスタントの勢力圏の境界線がNATOの勢力圏だからです。
帝政ロシアの時代はロシア正教、という正教を自文化とし、その反動からソヴィエト時代は唯物主義の共産思想を信奉して神の権威からの独立を運動しました。
結局、二度目の革命によってそれもまた失敗し、神も思想もないただの独裁政権が残ったのですが。
日本も全く同じです。明治革命と大戦の敗北と言う二度の大きな思想的転換によって、やはりなんの思想も残らない物質主義だけが残る国になってしまった。
政経制度としての資本主義は根付きましたが、その土台となるプロテスタントが国教となったというようなことではありません。
むしろ、このような由来を知らず、一体資本主義と言うのがどこからきたなんなのかを分からないまま現行の制度にただ乗っかっているだけの大人の方が大多数である、というのがこの国の現状でしょう。(こういうのを愚民化政策といいます)
このように、いわゆる地球の東側というのは、白人優位主義、言い方が悪ければ白人文化圏の側からすれば未開の東部で在り続けている。
イギリスのキャスターがウクライナでの戦争に対して「アフリカやアジアじゃない、我々と同じ白人の文明圏で戦争が起きてるんだ、大変だ!」と発言したことが問題になりましたが、このアジアには我々の国も当然含まれています。
長々と現行の我々が現在何も考えなければ当たり前に刷り込まれているいわゆる「常識」や「社会通念」の由来について書いてきましたが、このような物がしっかりと心中に根付いている社会人の中に、東洋思想を理解できる人間が驚くほど、少ない、というお話です。
なぜなら我々は、すでに資本主義化によってアジア文化という物から切り離されてしまっているからです。
実例について次回でお話いたしましょう
つづく