先日、スクーターで街を走っていると前方で蛇行運転をするワゴン車に出くわしました。
うわ、あぶね、と思って車線変更をして側面から車を確認したのですが、あおり運転のようなことをしていたのは政治家の宣伝車両であるようでした。
その場所は確かに車線変更が分かりづらい場所だったので、明らかに運転の仕方が堅気とは思えず、さては街宣車回してるような輩が親玉に煽られて慌ててハンドル切り回したのだな、という印象を受けました。
しかし、あからさまに薄汚いムードの漂う運転とは別に、車両そのものにはご綺麗なラッピングがされて居ます。
国民主権党と書かれた文字の下に、妙にこぎれいなイケメンの顔写真。
ですが、車全体に書かれているのは「コロナはただの風邪」などの反ワクチンのメッセージでした。
いくつものそれらの文言が、怪文書じみていて、汚い印象を作っていたのかもしれません。
私は、あー、この手の反ワクの馬鹿どもが、陰謀論の連中なんだろうなー、と軽蔑しなが他の馬鹿っぷりがどこかにないかと読み取ろうとしていたのですが、それはすぐに見つかりました。
後部ガラスにテープで形どられたZの文字。
吐き気がするほどの嫌悪を覚えました。
正面ど真ん中の陰謀論者です。
あれだけの残酷なことが行われているとの報道に対して、喜んでいるバカどもがこうして大手を振って暮らしている。
石ぶつけて窓割ってやろうかと思ったのですが、写メを撮って抗議をしようと携帯を手に取ったところで信号が変わって車は走り出してしまいました。
自分の惨めさを他人の生命で埋め合わせようとするようなゲスな連中が、無事に生きていられる社会に疑問を持ってしまったのは私の不徳のなすところなのでしょう。
後に、生徒さんの一人が見つけてくれたことなのですが、この手の反ワクチンの陰謀論者のやり口が分かってきました。
どうやら、詐欺やセミナー系の山師たちが、反ワク~トランプ支持~ディープ・ステート系の陰謀論を振りまいて支持者を集めることで「騙されやすい人名簿」を作ると言うビジネスが成立しているそうなのですね。
特に、高齢者がコロコロ引っかかるらしい。
まともな人間が聴いていると、矛盾だらけで「いや、話が途中で捻じれてるやないですの」というようなお話なのですが(例
・北方領土問題に怒っていたはずの右翼がプーチン支持をしていたりする)、そういう話でも信じてしまう人をリストアップしておくことで、後々引っ掛けたい案件が出来た時にそちらに当たってゆく、ということに役立つらしい。
確かに、私たちのメールアドレスには毎日つまらないバレバレの詐欺メールが呆れるほどの数で届きます。
誰がこんなのに引っかかるんだろ、とあきれるのですが、反ワクや陰謀論の人たちが引っかかるんですよ。
だから彼らは、こうして広報活動をして社会の落ちこぼれ、A・K・Aカモをあぶり出している、ということだそうです。
まぁ、まっとうな人間が引っかかるなら可哀そうだとも思いますが、馬鹿どもがカモられる分には当然のことだという気も正直します。
下手すればちょうどいい天罰だ、くらいの情緒的な感想すら抱いてしまう。
かと思えば、一方では在日ロシア人の人たちに対してまったくいわれのない嫌がらせも横行しているそうで、あっちもこっちもバカだらけで、この国は本当にバカ地獄だなあという思いを一層強くしています。
再三繰り返してきたように、いまの世の中は市民と大衆の分断の時代に入っています。
一足先にそのフェイズに入ったアメリカでは「もう隣人と会話が出来なくなっている」という話を何年か前から聴いています。
これも時代の過渡期であるためなのでしょう。
どうか、あぶり出されたバカどもがそれなりのふさわしい場所に落ち着いて、先を見ることの出来る責任を持った人々が世の中を動かしてゆきやすい世界になると良いと感じています。