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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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信仰と農耕 2

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 以前に大騒動を起こしたカルトが、信者の獲得手段として使っていたデコイサークルの中心だったのが、ヨガサークルだったというのは有名な話ですね。

 元々、そのカルト自体の出自がヨガ団体であり、また70年代後半からのヨガというのが後のデオドラントされたハリウッド・スタイルの物では無くてオカルト・ブームを背景にした超能力絡みの胡散臭い物だったから、というのが一つ押さえておきたいところではあります。

 ですので、当時ヨガに興味を持つ学生と言うのは潜在的にさぞはまりやすかろうとカルト側に見抜かれていた訳ですね。

 ちょっと余談なのですが、このカルト団体が大問題を起こして公安に目を突けられて、事件を繰り返したのちに教祖、幹部らが逮捕された時に、司法の側は妙に線引きを心得ていて、明らかに責任のありそうな幹部の対応に手心を加えたり、信仰の自由を理由に団体を破防法の対象にしなかったんですよね。

 これ、いまにして思うと背後に現在暴かれているカルト団体の存在があって、判例を作っていたという解釈は成り立たないでしょうか。

 この辺りも今回の捜査で切り込んでいってほしいところです。

 で、余談から戻りまして、この現在メスの入っているカルト団体ですが、彼らが呼び餌として、有機農法や自然食品といったアグリカルチャーを使っていた、と言うことに今回注目したいわけです。 

 アグリカルチャー、農業というといかにものどかなカールオジサン的な幻想を抱く人も居ることでしょう。

「田舎に移住して農業でもやるかな」なんてことを言うビジネスマンは、バブルの頃から沢山いました。

 それに対して農家の方々が大抵言うのが「農業・で・も、なんていう奴には務まらないからやめとけ」ということでした。

 カルトが裏で政権の圧力団体として強い影響力を持っていたことが現在の問題なわけですが、表における政治への最大の圧力団体と言うのは、代々農協さんでした。

 全然のどかじゃないですよね。

 これは、国がすなわち土地であり、土地とは食品の生産所であり、食品が人の命を握っているという普遍的な事実によって古代から続いている権力構造の図式です。

 だから食料の生産者が権力を握っている訳ですよ。物理的には田舎でも、権力図の上ではがっつり中枢に近いところに居る訳ですよ。

 でね。

 この権力構造は例のカルトが母体にしていると標榜しているキリスト教にも、政権が思想として重視している国家神道にもまんま同じようにドグマとして含まれているんですね。

 聖書には、アダムとイヴが楽園を追放されることになって人類が地上に堕とされたのち、その子孫であるアブラハムの子らには、地上の全ての生き物はお前たちの食料であり、使役して良い物であるから、それらを用いて産めよ、殖えよ、地に満ちよ、とのミッションが与えられます。

 そしてアブラハムの子孫らは地上を自分たちの巨大な農地として開拓と牧畜をし、すべてを神の子の土地としたのち、神にささげよ、というのがレーゾンデートルとなる。

 つまり、農業というのは地上の支配であり、支配して神に捧げることが人類の役割だ、という思想です。

 ミッションと言うのは使命と言う意味ですが、信仰を意味する言葉でもあります。

 ですので、キリスト教の宗教的指導者のことを牧師と言う。

 牧の管理を導く人という意味ですね。

 キリスト教はアジアで生まれましたが、のちにローマ帝国の国教となり、白人優位主義と繋がります。

 だから彼等白人キリスト教徒は、自分たちが神によってこの世の支配権を任命された物だとごく自然に考えており、他国への侵略と支配をし続けているんですよ。

 それは彼らの教義なんですね。

 未開の蛮地の開拓と農地化ということです。

 ね、農業全然穏やかじゃない。

 次回は神道の農耕観について書きたいと思います。

 

                                                 つづく

 

  

                                                


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