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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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音質と持続性

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 先日、私の好きな音楽家の通称プロフェッサー・ロングトークがラジオであるヘッドフォンを紹介していました。

 これが、たかだか数千円の値段で、十万円の機材と同質の音が聴けるとミュージシャン界隈で評判の品です。

 その値段なら私が常用している物と変わらない。と思って一つ調達して見たところ、驚きました。

 頭の中で音がする……。

 その前にちょっと試しに使ってみた骨伝導のヘッドフォン、一万円台半ばの品は、耳の付け根の側頭骨の辺りで音が響いていました。

 しかし、今回のヘッドフォンは違います。頭の中、中点でから音が聞こえます。

 そしてステレオの加減によって、その音が数ミリ単位で左右に移動します。

 いままで聴いていた楽曲の中に、こんな音が入っていたのかと何度も発見が続きます。

 そもそもが、初動で音が鳴ったときの異界にダイヴした感からしてまったく付け心地が違う。

 これは……とても悪い物を買ってしまったのかもしれないと震えました。

 商品のパッケージには中国語が並んでいます。

 台湾製ではありません。

 こんなすごい品が、数千円で買えるわけがない。

 それが可能なのは、どこかで誰かを搾取しているからなのではありますまいか。

 抑圧れた人権によって、この価格が成立しているのではないでしょうか。

 サステイナブルな環境でこんなことが可能であるとは思えない。

 私は悪魔に魂を売ってしまったのかもしれません。

 もちろん、私たちが普段消費しているチョコレートやコーヒーもまた、同様のからくりによって調達されています。

 そのことをこの高い音質によって、改めて強く突き付けられました。


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