以前にも書きましたが、本当に老師のおかげでもうずっと求めて海の外に探しに出ていたこの奇拳が日々学べております。
元々その拳、五祖拳を求めたきっかけは、それが心意把の系統であり、かつフィリピン武術などの東南アジア武術に繋がっている物だと聴いたためです。
アジアにおける武術という伝系における仏教文化の伝播の一つの貴重な例としてそれを学びたいと思い、いまに至っている次第です。
そして20年ほどそんなことを追い求めていて、先日ようやく、明確に五祖拳がフィリピン武術、ひいては柔術とまで繋がっていると見なせる動作を見つけたということを書きました。
その後、用法としてはやはり心意拳的な鷹爪把の法や引手法も教えていただけました。
つまり、心意拳→五祖拳→フィリピン武術という流れを仮説するに足る、具体的な技法の共通点がこれで確認できたということになります。
あぁ。素晴らしい……。
素晴らしい一方、練習をしている時に、あまりに五祖拳の用法練習がフィリピン武術と同様なので、ついついフィリピン武術の動き方でやってしまうという問題を起こしています。
フィリピン武術はフロウ、放鬆で動くのがそのよいところではあるのですが、中国武術、ことに五祖拳では勁で動かないといけない。
大切な用勁を怠って形だけをやっていては練習が片手落ちです。
それがついつい身体が怠ってしまう。
認識がまだ未文明で混同してしまっているのですね。
フィリピン武術の徒手技法は中国武術が簡化された物なので誰にでもすぐ出来るのが良いところ。しかし、中国武術はそういう物ではありません。
あくまで行としてもちょっとしっかりしたところを求めなければ意味がない。
自己と世界の陰陽を体感するということが中国武術の重要なところだと認識しています。
ましてやようやくここまでたどり着けたことですから。
五祖拳、福建鶴拳類にありますが、剛直な少林拳の要素が強く例外的に物凄く勁が強い武術です。
鶴法で軽やかに動いているように見えても常に中には勁が伴っています。
軽やかでいて、めちゃくちゃ威力が強い。
この両方の陰陽を呑吐した良さを追求してまいりましょう。
本当に、非常に素晴らしい、そして物凄い武術です。