前回は、現代日本人は歴史上かつてないほど肉体の精度が劣化しているということを書きました。
いえ、これは日本だけのことではないかもしれません。
アメリカでは、多くの子供が肥満の上に栄養失調を併発していると言うレポートがありました。
糖質と脂質ばかりで必要な栄養が摂れていないため、太りすぎかつカルシウムが足りないとかミネラルが足りてないと言ったような症状が出ていたそうなのですね。
最近では、学歴社会が過熱化した結果中国でも同様のことが起きていて、勉強漬けで他のことが出来ない子供たちの間で、肥満と運動不足が深刻化していると聴きました。
こうして世界的に大国や先進国でどんどん人類が劣化して行っています。
この問題はすでに人口比率にも表れていて、デスクワークばかりしている知的階層の人々は結婚も遅れて少子化が進んでいる一方、労働者階級では若いうちから子供を沢山育てているために、結果ごく少数の富裕層と大多数の貧困層という分断の原因にもなっています。
貧弱な富裕層は生殖にも問題をきたしている。
本当は沢山子供を育てられる財力があるはずなのに、出産と言う過酷な試練を繰り返し乗り越える体力が足りない。
なぜなら、知的階層の人々は現在、大学を二つくらいは出ていて、その後インターンなどを経て、かつ海外で仕事をしたりしてから自分のパートナーを見つけるため、結婚するころにはもう四十代くらいになっているためです。
肉体労働に従事して、十代で結婚をする貧困層の労働者階級とは体力が比べ物になりません。
もちろん、彼らもまたジャンク・フード漬けの不健康な食生活をしてはいるのですが、それを支える筋肉量があります。
筋肉は血行や新陳代謝、体内の酸素の交換など、根本的な生命力を支えています。
睡眠不足や長時間労働でもなんとか体力を保つには不可欠だと言ってよいでしょう。
いまの世界は、産業革命によって塗り替えられた世界です。
それ以前の人間はもちろんハードな肉体労働者だったのですが、産業革命さなかの労働環境と言うのも、一日十四時間にも渡る肉体労働で実に大変な物です。
その過酷な環境で手早く食事を済ませるためにファスト・フードという物が生まれて、それが理由でイギリス料理が美味しくないと言われる原因になったとも言います。
今現在、工場で働いている人って割ときつめの肉体労働をしてる印象がありますよね。
産業革命時代にはそれ以前の労働よりは楽だと言われていた工場勤務でさえそれです。
そりゃあさらに肉体的負担の少ない仕事をしていたら、身体能力は堕ちますよ。
つづく