私は30代で現役の格闘技者としての人生を辞めて、まったく別の肉体を作るようになりました。
結果、老後の健康には実に良い身体を得ることになったと言う話を前回は書きました。
しかし、この幸運に恵まれなかった人にもまだチャンスがあります。
というのも、中年期以降の老化の時代にはテストステロンが増えると言う体質の変化があるからです。
よく、おじさんになると体臭がきつくなり、髪の毛が薄くなって、変なところに体毛が生えると言う話を聞きます。
これはホルモンバランスが変化して、男性ホルモンのテストステロンの分泌が増えているからです。
このテストステロンが身体に筋肉をつけるホルモンです。
なので、出遅れてもこの確率変動期があるのです。中途半端に若い頃よりも筋トレの効果が出やすい。
これは女性でも同様です。
そもそも女性の筋肉が付きにくいのは、テストステロンの分泌量が男性の10パーセントしかないためです。
代わりに女性ホルモンがたっぷりと分泌されて、発情と妊娠、出産に適した肉体が形成されています。
この辺りは生理学でも最も難しい部分の一つなのですが、女性周期の中期では黄体形成ホルモンと卵胞ホルモンという言う二つのルートから、エストロゲンとプロゲステロンという二種類の女性ホルモンが二重に分泌されて女性の肉体の女性性を高めています。
更には、妊娠が成立するとオキシトシンというホルモンが分泌されて、より女性の肉体を女性らしくしてゆきます。
妊娠中、体毛が濃くなると言う経験をした女性もいるかもしれません。
この現象、実は毛そのものが増えているのではなく、プロゲステロンの効果で毛が黒々とするためにそう感じられるのだと言うのです。
それくらいに、女性の場合はもっとも若い時から女性ホルモンが優位になるように肉体が出来ています。
ユーチューブを見ていると、入賞レベルのコンテスト・ビルダーでも実はまともに腕立て伏せが出来ないことが分かります。
その位に、女性の身体は筋肉をつけるのが大変なように出来ているようなのです。
しかし、妊娠の必要が無くなったと肉体が判断した年齢より、話が変わってくるのです。
閉経後、ひげが濃くなったり髪が薄くなったと悩む女性は多いようですが、これはテストステロンの分泌量が増しているためです。
女性ホルモンの分泌量が減って、男性ホルモンが増しているのです。
つまり、女性にも中年男性と同じく確率変動があるのです。
閉経後、旅行や山登りなど、活動がしやすくなったとはつらつとしている女性が居ます。中にはそこで恋人を作って還暦すぎてから結婚をなさったという方もいます。
この時期は健康さえ保てていれば女性にとっては活動のしやすい第二の青春期とも言える時期でもあるようです。
ここで健康を確立して後期高齢者となるのか、それとも70を前にして寝たきりになるのか。
それはやはり、健康な筋肉量にも関わると思うのです。
私自身、20代、30代の頃より圧倒的にパワーも健康も増しているからこそ安心してこれからの時代に向かうことができます。
どうか50代以上の皆さんもぜひ、早いうちから筋肉貯金をしてゆくことをお勧めいたします。