夏になって、ビーチの近くをバイクで走ったりしていると、自身のある男性たちが上半身裸で歩いていたり自転車をこいでいたりします。
身体のことに関心のある私は、ついつい女性の身体よりもそういった男性たちの方に目が行ってしまいます。
さすがに、自ら身体を見せている人たちはかっこいい。
非常に見栄えがして私などはまだまだだと感じさせられるのですが、よく考えたらそれはフィットネス基準でのお話。
単純なバルクで言ったらどう考えても私よりは筋肉量はないはずなんですよね。
付く場所がかっこいいから全体がかっこいい。
ユーチューブで懸垂の動画を専門に配信しているグッディさんという元自衛官の方がいらっしゃいます。
この方が最近発表した動画では、懸垂では三角筋は鍛えられないということが言われていました。
グッディさんは懸垂だけでボディ・コンテストに参加しようということを言っていたくらいなのですが、やはりそうなるとルッキズムの観点という物が身体づくりに入ってくる訳ですね。
ではどうやって三角筋を鍛えるのかというと、これがウェイトを使うということでした。
ビーチで見かける格好の良い男性たちは、みんな三角筋が発達しています。
これは恐らく、サーフィンでパドリングをしているためでしょう。
キャリステニクスで三角筋を鍛えたければ、吊り輪を使うことが推奨されています。
そのような、身体の横で腕を上下させる運動が三角筋には効果的なんですね。
私自身も、60キロ程度の体重だった若いころ、5キロから10キロ程度の鉄アレイで補強をしていたこともありました。
すると、上半身全体は痩せているのに肩ばかりが発達して比較的かっこいい感じになりました。
Tシャツなんかがばえる感じですね。
これはいまの私の体型ではありません。いまの私は樽のようになっています。
グッディさんの身体を見ると、懸垂専門家だけあって体重が軽そうで、首が細くて僧帽筋もほとんど発達していません。
鎖骨端も外見から見て取ることが可能です。
これは確かに、ルッキズムの観点で見て評価の高い体型です。
私の身体はそうはなりませんでした。
レスリング出身らしい、いわゆる富士山と呼ばれる首になっていたからです。
耳の少し下から首の稜線がはじまり、そのまま肩へと繋がっています。
このようにして、首と肩とを一体化させて、頭が胴体に埋もれているような体型に変えてしまうのですね。
これはちょっと、一般的に言ってかっこいいという感じとは違います。
ただ、この身体は投げられても殴られても比較的強い。
格闘技をするに向いている体型です。
私は最近では、この富士山の裾野をさらに上腕三頭筋にまで繋げがちで、肘の外側から首まで一本に繋がっているような不気味な体型となってきました。
格闘技から武術の世界に移行して感じたのは、練習者の肉体が非常に貧弱であるということでした。
練習仲間の写真を人に見せたら「ひょろがりばっかりじゃん!」と言われたこともありました。
そう、ひょろがりと運動不足の中年みたいな体型の人たちがほとんどです。
レスラーやラガーのような塊感のあるアスリートはほとんどいません。
これは非常に危険なことだとも言えます。
攻撃力は道具を使ったり当て方を工夫したりして増せるのですが、打たれた時の強さばかりは鍛えないとつかないのです。
ぶん殴られたり投げられたりしたときに、イチコロで伸びてしまうというのではちと安全性に問題があります。
いつも言うことですが、筋肉は身を護る防具としての役割があります。
解剖学では、臓器を守る役割があると言われています。
この辺りがもう少し、身体を動かす人に知られても良いのではないかなあ、という気がします。