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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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アスリートと怒りの発作について 2

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 前回に続いて、ロイドレイジ不在説についてお話してゆきましょう。

 今回は別角度へと視点をあらためてみたいと思います。

 ステロイドによる凶暴化がないとしても、明らかに常識的には考えられないくらい、短絡化して凶暴化しているアスリートが存在する、というのは事実です。

 完全に頭がどうかしているとしか思えないくらい、いい大人なのに感情をむき出しにして恥を知ることが無い、バカだと思われること間違いなしの態度が平気で取れてしまうというアスリートが確かに存在はするのです。

 そもそもがステロイドのお話を書くきっかけになった大学スポーツ部の選手たちがそうであるように、人並みの社会経験を積めずにスポイルされているから、という理由が一つにはあります。

 そのために後天的な発達障害となり、まともな大人になれないという不定形発達を起こしてしまっている、ということが社会的な理由としてはあります。

 が、そんな社会学的な話だけが理由だとする訳にも行きません。

 化学的な理由も三つほど想定できます。

 一つは、脳へのダメージ。

 私は格闘技系アスリートに囲まれて育ってきたのですが、グローブを付けて頭部を殴るスポーツの選手にはこれが多い。

 ことボクシングの元日本チャンピオンだった人はもうこれの典型で、名前を呼ばれただけで怒り出す。

 最近はあまり見ないかもしれませんが、老化で同様の症状を発した爺さんを昔はよく目にした物です。

「ったったらぁ! っちぇっちゃっちゃんじゃらぁや!」などと周りに怒鳴り散らかしながら一日中町を徘徊しているタイプの老人がこの手の脳へのダメージによって怒りの発作を発するようになった人たちの末路でしょう。

 脳へのダメージと認知症、パーキンソン病などの脳病は密接に繋がっていると見なされます。

 もっとも偉大なチャンピオン、モハメド・アリが、あれだけアリ・ダンスで華麗にパンチを避けていたにも関わらずパーキンソン病を患うようになったというのは多くの人が目にしている事実です。

 激性のダメージが無くても、脳腫瘍などで同じような症状を発する人も多いと言います。

 ですので、年を取って怒りっぽくなってきた人のケースなどは、単に認知だと決めつけていると結構危険で、腫瘍などの検査をした方が良いようです。

 もう二つ、生理学的なケースがあります。

 次回にお話いたしましょう。

 

                                             つづく


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