先日、期末テストも終わったことだしと思って古本屋さんに行って、いくつも本を見繕いました。
その中で「あれ、これは読んだかな、どうだってけな、分からない」と思う作品がありました。
リー・チャイルドの、ジャック・リーチャー・シリーズの中の一作です。
なにせ20作も出ているシリーズなので、どこまで読んだかを覚えているのは大変難しい。
しかも近年は新作を読んでいませんでした。
というのも、主人公が悪漢にホールド・アップされるクライマックスで、そのまま自ら相手に撃たれて「私には9ミリ弾など効かないんだ」とそのままやっつけてしまう作品を読んで腰砕けになったからです。
これ、科学的には正しいらしくて、主人公のジャック・リーチャーのような190センチ台、100キロ越えの大男だと、9ミリ弾ではホントに致命傷にはならないっていう実験結果があるらしいのですね。
でも、だからといってそんな自作自演のクライマックスには付き合いきれません。
そこでシリーズ全体に対するいわばリスペクトのような物が少し下がってしまっていました。
演出過剰な娯楽小説枠に入れてしまったのですね。
この、主人公が巨人であるというのはこのシリーズで私が好きなところだったのですけれども、それが作品の足を引っ張るところは時々垣間見られました。
初期の方の作品では、対等な戦いをする相手が出せることもなく、旧ソ連出身の邪悪な老人達からなる軍人崩れのマフィアたちが立ちはだかって、狡猾な陰謀と立ち向かうことになったりしていたのですが、途中の一作ではムキムキマッチョの極端な小男と天井の低いところで対決となり、リーチャーが頭をぶつけて上手く身動きが取れない中、相手は走り回りながら攻撃を仕掛けてくるのに市区拍するというクライマックスがあったりしていました。
そんな中、今回久しぶりに手に取った作品ですが……前に読んだ作品でした!
まさか、ジャック・リーチャー・シリーズの中の同じ作品を二度も読む日がこようとは。人生いろいろなことが起きる物です。
しかし、結果的には読んでよかったと感じました。
というのも、今回の敵は、リーチャーを越える巨人だと言う設定なのですね。
大男の主人公に対してさらに上回る巨人という、もうほんとに作者がネタに困っているという感触はそのまんまなのですが、今回はちゃんとそこが良い方に働いていたのです。
そして、そこから得る物がとてもありました。
つづく