先日、武術家の友人とカフェで待ち合わせをしていた時に、向こうがやってくるなり「腕が太いからすぐわかる」と言いました。
人生の前半が大きくなくて、周りにデカい格闘家がいくらでもいたので、自分の中ではいまだに自分が大きいと言う自覚に現実感がありません。
しかしまぁ、学生時代に超メジャー格闘技で県大会の16位まで行った人が言うのですから、格闘家の目で見ても太いと言える程度にいまはなっているのでしょう。
確かに、筋トレの後に鏡を見ると古い写真にある沖縄空手家のような身体をしていると思うことがあります。
または白黒写真時代のレスリング選手のような。
あるいは、バート・レイノルズのような。
これらに通ずるのは、現代人のようなフィットネスの体格ではないということでしょう。
現代で一般的に言うかっこいいマッチョとは、丸々としたソフトボールのような筋肉を身に着けた人ではないでしょうか。
特に力こぶがこうなっているとメチャメチャかっこいい。
しかし、それはほとんど、伝統的なアジア人の練功法によっては生まれないものです。
まず、あの丸い筋肉というのは屈曲することで作られた筋肉、そして筋繊維の太さによって作られた筋肉です。
これがね、アジアの伝統的な身体とは違うのです。
そのアジアン・ストロング・ガイの肉体の典型とは何かというと、モンゴルの勇士たちです。
ナーダムの動画などで観ることができるブフの勇士たちの腕は、丸いボール状の力こぶなど無い、のっぺりした物になっています。
身体全般がそうだといっても良いでしょう。
これは、筋繊維が長いのです。おそらく。
縮めるためでなく、伸ばすために作った身体です。
これ、実はすごい秘伝です。
西洋体育とアジアの身体の違いには、この二つの思想の違いが大きく影響していると考えています。
そして筋肉が球として独立せずに、他の筋肉と重なり合って協調するように作られています。
結果、シルエットはのっぺりとしたカッパじみた物になります。
思い出してください。
ガニマタで背中が丸くて腕の長い河童は、相撲が大好きな妖怪です。
つまり、アジアの格闘家の体格なのです。
つづく