今週は二回映画館に行きました。
一度目は「インサイド・ヘッド2」を観覧して、二度目は村上春樹原作の「めくらやなぎと眠る女」を観賞しました。まさかの両方アニメーション。
「インサイド・ヘッド2」は、人の内面の世界のお話が大半を占めていますので、物理的なコンフリクトに関してはどうこういう話ではありません。
まぁ、温かい視線で思春期の心の状態を見守るようなエンターテインメントです。
このお話の中の心の中の世界では、人は年齢ごと新しい感情が湧いてくるという設定になっていて、歳を取ったらおばあちゃんの感所である「ナツカシ」というのが心の中の扉の奥から訪れたりするということになっています。
今回は、思春期の感情四つ「シンパイ」「ハズカシ」「イイナー」「ダリィ」というが現れます。
この感情のキャラクターたちは翻訳が難しいのですが、シンパイと言うのは未来への予測や計算を担当する感情ということになっています。
イイナーは色んなことへの「いいなあ」と思う気持ちと人をうらやむ気持ちを兼ね備えているようです。
ハズカシはシャイな存在なのですが、同時に人としての恥ずかしさもあるようで、倫理観と重なる部分も感じられました。
今回、個人的に私が面白いと思ったのはイイナーの存在です。
私はあまり他人をうらやんだりすることがなくて、ちょっと自分に発達障害があるとしたらそこなんじゃないかと思っていたりします。
いいなあとは思うんですが、「おー、この人いいなあ」とかそういう感じで、嫉妬という心が非常に薄い。
あるいはこれは、常に生存率的なことを考えて生きているからかもしれない。
それぞれ人が自分で何か良い状態で生きて行けることは、種の保存として重要です。
嫉妬をして人の足を引っ張ることは、サークル・オブ・ライフの中で犠牲になった物を無駄にすると言うもっとも罪深く邪なことであるように思っています。
しかしこの「イイナー」は非常に重要な感情のようで、思春期にロールモデルを参考にして自分もそれに近づこうと成長を促す機能があるようです。
私はたぶん成長したり何かになりたいと思う意志は強かったから、単に嫉妬を伴わなかったのか、それとも目指す対象が他にあったから周囲の小さな社会にロクに目を向けていなかったのか。
どっちの可能性も高そうだなあ。
つづく