本日のレッスンで教わった重要なことが、まずはフットワークの問題でした。
多くのエスクリマでは高めに構えて、格闘技的な、相手に対して斜めになるスタンスを取ります。
そこから左右を転換する凹上のフットワークを、グランド・マスタルがして見せてくれました。
「これはモダンのスタイルだ」と言って、その後、足を前後の直線状に入れ替えるフットワークを教えてくれました。「これがライトニング」。
そしてその後「うちはこう」と教えてくれたのが、蔡李佛で言う紐馬のように足をねじるスタンスです。
基礎のスタンスが、相手に対してほぼ完全に真半身を切った低い姿勢なので、相手が背中側を打ってきたときなどは身体をねじって対応するのです。
それを前提に、左右非対称に技術が組まれています。
その後、トライアングラルというサヤウ(舞の意味だそうで、中国武術でいう套路に当たる)の復習をしたのですが、それはほかのマスタルが教えてくれた動きの解説で、詳細を聞くほどに相手に対して左右で入ったときの対応が変わると言うことを練習している物なのだと言うことが分かってきました。
これは非常に珍しい動きです。
中国武術の師父としても、大変に興味深いものでした。
例えば相手の兵器による攻撃をさばくにしても、自分にとって左側に防いだなら手でチェックするという選択がありますが、では右にはじいた場合はどうしましょう。
そのままだとまた戻って攻撃をしてきます。
そのために独特の無力化のための対応があるのです。
これは非常に面白いものでした。
グランド・マスタルは身体をねじるスタンスをしながら「だからこれはコンプー(功夫)なんだ」と言っていました。
確かにグランド・マスタルが見せてくれると、サヤウは完全に中国武術のヴァイブスになります。
そして、片足立ちで立つ姿勢を取るたびに「コン・プー!」と強調していました。
まさか独立馬と心意把との関係という私の研究のテーマが直結している訳ではないのでしょうが、実にちょうどいい物に出くわしてしまったと感じています。
南の武術を研究するサウス・マーシャル・アーツ・クラブ、だいぶん南までフィールド・ワークに来ています。