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大倭寇後の武術史私論 12・神道流系剣術

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 兵法三大源流と言えば、念流のほかには神道流系と陰流系となります。

 このうち神道流系というのはその名の通り、霞ケ浦の香取、鹿島の神宮に伝わって居たと言われている武術です。

 先に挙げた念流が仏教系だったのと比べると非常に対照的ですね。

 これならば中国の流れは汲んでいないかもしれない。

 しかし、ここにもやはり気配はなくもないのです。

 というのもここ、海に面しており、海夫と言われる海の生活者たちをまとめていた場所だと言われています。

 そこに伝わって居た戦法というのは、東シナ海の海賊剣法と同じく海上、ないし臨海での戦闘法でありえます。

 ただ、時代的に言ってここでの仮想的と言うのはまだ日本列島が平定される前なので、東北方面の奥州勢であり、中国や朝鮮半島方面からの侵略ではないようです。

 どころか、鎌倉幕府の力が強かったため、比較的平和であまりこの当時の戦法は使われなかったのではないかという話もあります。

 これを体系化し、さらに自ら修行をして工夫を加えたのが飯篠長威斉です。

 一説によると、この時代までの戦法にはなかった「型」という物を初めて設定したのが飯篠長威斎だという話もあるくらいです。

 さて、念流との兼ね合いはどうなのでしょうか?

 ただ確実に言えるのは、この流派の型というのは非常に複雑かつ長い物で、後の日本武術の型とはかなり印象が違うものだということです。

 まるで、中国武術の対打のように見えます。

 と、いうとまたそれもバイアスがかかっていることのように聞こえるかもしれませんが、実はここにも中国の影が現れるのです。

 というのも、この香取神宮にある国宝に海獣葡萄鏡というものがあり、これが唐の時代の物だというのです。

 来歴は現状不詳だそうですが、少なくともこれまでの間に唐との交流があったかもしれないということがうかがえます。

 さらにグッと核心に迫ってみましょう。

 香取神道流、実は剣術だけをやっているのではありません。

 棒術や槍、長刀があるのはまだしも、なんと風水術というものがあるそうなのです。

 風水と言えばあの風水でしょう。DRコパの奴です。香港にとんがったビルをたくさん建てた、中国の方術ですよね。

 築城術もあるというから、きっとそれと合わせて行うのでしょう。  

 これが果たして、最初からあったものなのかどうかはわかりません。

 のちの時代の神道流剣士が取り入れたものかもしれません。

 ただ少なくとも、中国の学問が現実として取り入れられているという事実はあるようだ、ということです。

 そして、なんと忍術があるそうなのです。

 これも、忍術というのが孫氏兵法だとすれば、風水、築城術と同じルートで来た可能性も高まってくるのではないでしょうか。


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