海賊武術研究祭 講師紹介
こちらが今回の苗刀の講師をしてくれる、施安哲老師です。 蘇昱彰老師の元で内弟子として寝泊りをしながら、武館を間借りしてご自分のクラスをもっていらっしゃるという実力派です。...
View Article黄金三角形を作れ!
ただいま、海賊武術祭での内容について考えております。 基本の一からやるとアウトラインが分かりにくい。 せっかくだから特徴的なことをやりたいし、普段来てくれてる皆さんにも祭りらしい良さが出ることがやりたい。 というわけで、フォーメーションを検討しています。 これは倭寇の二大王が使った白扇の胡蝶陣というわけではありませんが、おそらくその周辺の海賊の寇術となんらかの関係があるであろうという布陣法です。...
View ArticleSMACの兵器
さて、ここまで倭寇について書いてきましたが、いろいろな武術や兵器が出てまいりました。 鉄棍和尚の棍などは、少林の定番兵器なのでまぁ、どの門でも用いられる物です。特に少林拳のうち、棍のない物は存在しないと言ってもいいくらいです。もちろん我々も行います。 それよりは少しだけ珍しいのは八大王の双刀でしょうか。...
View Article戚家軍の陣法
さて、我々SMACがいろいろな兵器を使っていることや、アーニスの陣形についてここのところ書きました。 武術には単一の相手と戦うことを目的とした都市護身術的な物と、多数戦を想定した合戦の武術があります。 時代がこちらに近づくにつれて、合戦の武術よりも護身術の隆盛が見られます。 中国でいえば清朝、日本でいえば江戸時代でしょうか。...
View Article大倭寇後の武術史私論 1・拳経の短打拳法
さて。 ここの記事ではこれまで、フィリピン武術の成立や、清朝末における少林武術の南進の歴史を書いてきたり、近代西洋思想とタオイズムの関係を書いてきたりとしてきました。 最近では洪門拳法と鄭成功の軌跡について書いたりしたあと、さかのぼってその前の前期倭寇の時代を書き、この間まで後期倭寇について書いてきました。...
View Article大倭寇後の武術史私論 2・山東蟷螂拳の発生
蟷螂拳の開祖伝説には、王郎という人物が出てきます。 どうやらこれは名前ではなくて、王という郎(男性)であったという意味だという説もあります。 この王郎、なぜ姓名を明らかにしていないかと言うなら、清の時代の反清複明結社の闘士だったからだとも言われています。 彼は革命の武術を学ぶために少林寺に潜入したのですが、中での腕比べでどうしても勝てない相手がいました。...
View Article大倭寇後の武術史私論 3・山東蟷螂拳の周辺門派
さてここで、山東蟷螂拳のアウトラインを門外ながら探ってみましょう。 まず技法的なことに関しては、蟷螂手と言われる独特の指先が特徴的です。 あれ、点穴などで相手の急所を突くためとも言われますが、実際はそう多様するものではなく、相手の攻撃を受け流したり相手の手を封じたりするときに行われがちなものだそうです。 足はと言えば独特の足払いが二枚目の看板技でしょうか。...
View Article大倭寇後の武術史私論 4・カンフー・カルト
前回では、白蓮教の乱がおきたところまでを書きました。 では、WHAT’S 白蓮教、というのをここから書いてゆきたいと思います。 前回、白蓮教=パドメ、つまり、以前から私が言っているスター・ウォーズ中国武術史説を繰り返しましたが、それを踏まえて今回もお楽しみください。 白蓮教のルーツは、ペルシャからわたってきたマニ教だそうです。...
View Article大倭寇後の武術史私論 5・マーシャル・アーツ・ギャングスタ
さて、王倫による山東蟷螂拳の反乱は鎮圧されましたが、逃散した革命闘士たちは再び地下に潜伏します。 これらの潜伏は、陸においては魔教の、海側においては洪門の地下ルートが大いに活用されたものなのではないかと思われます。 これは明朝VS反乱勢力という構造をすでに離れ、体制VS生活を守るための反抗勢力という形がすでに自己目的化していたのではないかと思うのです。 いわば、マフィア化、地下帝国化です。...
View Article大倭寇後の武術史私論 6・五祖の海賊拳法
さて、前回書いた白眉道人と白眉拳についてもう少しだけ補足するところからお話に入りましょうか。 伝説にある福建少林寺には、五人のマスターが潜伏していて、そこで反清複明の闘士を育成していたと言います。 そこで育った拳師たちが、南拳五祖と呼ばれるニュー・ジェネレーションの五人のマスターたちです。 白眉道人はこのうちの一人です。 ほかのメンツには、至善禅師や、五枚尼姑がいます。...
View Article大倭寇後の武術史私論 7・マニの神話と十大形
さて、大倭寇後の時代の広東、福建での南派拳法の伝播と、東南アジアへの普及を書いてきました。 ここで別の角度にある物に注目しなおしてみたいと思います。 それは、マニ教です。 ちょっと長くなるので要約するのが大変そうですから、ウィキペディアからマニ教の神話を引用してしまいましょう。...
View Article4月の練習予定 随時更新
四月の練習予定です。 2日 日曜日 海賊武術練習祭 文教江戸川橋体育館 12時30分ー18時 16日 日曜日 湘南練習会 10時ー11時45分 茅ヶ崎駅より海側に向かい、鉄砲道と交差する信号を左に入ったすぐのところに看板が見えます。 関内WS 18時ー20時 関内駅より五分 フレンドダンス教室 23日 日曜日 アルニス・サンデー 10時ー12時...
View Article大倭寇後の武術史私論 8・喧嘩殺法の台湾分布
南少林という革命兵士の養成所について書いてきましたが、前に書いたようにこれ、実在がまだ確認されていません。 というのも、伝説の上でも結局は焼き討ちにあったという物があるので、やはり帝国軍に発見されてしまったのでしょう。 白眉道人が嵩山少林寺ではなくこの福建少林寺の弟子だったのだとすれば、彼が裏切ったというのもここでなのかもしれません。...
View Article大倭寇後の武術史私論 9・太平天国拳法
鄭氏台湾王国「東都」が帝国軍によって滅ぼされ、福建少林寺も白眉道人の裏切りによって焼け落ちたと言われています。 それ以降の、明教、白蓮教、海賊勢力である洪門はそれぞれ潜伏して地下活動に入りました。 それが再び一斉に活動をするのが太平天国です。 これは我々にとっては大変に関係の深い歴史的事変です。...
View Article大倭寇後の武術史私論 10・そのころの日本と言ったら
清朝中国が太平天国革命で激動しているころ、現地でそれを見ていた日本人が居ました。 高杉晋作です。 幕末の志士で有名な人です。 当時の江戸幕府で物議をかもしていた開国論の調査の一環として、貿易をできないかの査察に行ったのです。 高杉晋作と言えば長州の藩士で最後は風邪をこじらせて亡くなったなんて話が有名でしょうか。...
View Article大倭寇後の武術史私論 11・剣と禅
さて、倭寇の時代の本邦にさかのぼってみたいと思います。 まず、初期倭寇、元寇の仕返しがあった時代には流儀武術があったという明確な資料はないようです。 いちおうその土台となる合戦の戦法はあったようですが、システマチックな物として体系付けられてはいなかった、ということでしょうか。 歴史上信頼のおける資料ですと、その後の南北朝時代には兵法三大流派の最古の物である念流の念阿弥慈恩が居たと言われています。...
View Article大倭寇後の武術史私論 12・神道流系剣術
兵法三大源流と言えば、念流のほかには神道流系と陰流系となります。 このうち神道流系というのはその名の通り、霞ケ浦の香取、鹿島の神宮に伝わって居たと言われている武術です。 先に挙げた念流が仏教系だったのと比べると非常に対照的ですね。 これならば中国の流れは汲んでいないかもしれない。 しかし、ここにもやはり気配はなくもないのです。...
View Article大倭寇後の武術史私論 13・陰流で核心に迫る
さて、残る一つの陰流に関しては、大倭寇本編で書くべきところはおおよそ書いてしまったようにも思います。 しかし、ここであくまでごくごく私論としての考察を加えてみたいと思います。 倭刀戦法に関して、中国側の資料が口をそろえて言っているのは「倭寇は動きが素早く左右に転換して我々ではとても追いつかない」ということです。 二大王のところにもあったように、その転換を妖術だとさえ言っています。...
View Article大倭寇後の武術史私論 14・東シナ海武術と忍者
さて、前回は日本の兵法三大源流のお話が陰流にまでたどり着いたところまででしたね。 陰流がどういうことをしていたのかは前のシリーズ「大倭寇の話」に続きます。 こちらのシリーズでは一気に大倭寇後の日本に時間を飛ばしましょう。 大倭寇が終わり、明国は日本を除いて海禁令を解除、日本では秀吉が海賊行為の禁止令を出していたころにです。 戦国時代はほぼ平定されつつありました。 こうなると困るのが天下人です。...
View Article大倭寇後の武術史私論 15・カンフー最終戦争
さぁ、とうとうこのシリーズも最終章になりました。 前回までの流れは、太平天国から日本に目を向けてマッド・ドッグ高杉からさかのぼって日本武術の中に見られる中国武術の伝来をうかがってきました。 ここでもう一度、太平天国の後の中国に視線を戻して、現状最後に起きた中国拳法史上最大の決戦についてお話したいと思います。 その決戦を、義和団事件と言います。 私が初めてそれを知ったのは中学校での歴史ででした。...
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