一般にエスクリマを日本人が習うと、断片的なドリルやジョイントロックなどの技を散文的に学ぶことは出来るのですが、それらが最終的に何をするのかが今一つ見えてこない。
これは、おそらく地域と時代、および流派における構成が全然違うので、バラバラにやったものを一つの体系として運用するにはもう一つ別の段階の学習が必要になります。
そのために、カコイ・ドセ・パレス系ではタピタピというトレーニングを、バリンタワック系ではパラカウという物を行います。
これはいわばカポエイラで言うとホジーニョのようなもので、一つ一つの動きや技はここで活用するために練習されているといってもいいと思われるものです(バハドやゲリラ戦に参加しない限りは)。
ことここに至って、エスクリマという遊びは一つの完成を見ると思うのですが、これが現状の日本のグループでは行われているのかどうかがいまひとつ私には見えてきません。
フィリピンの人たちの動画をみるとデモンストレーションの他はこれらをやっていることが多いのですが、どうも日本ではまだメジャーではないのではないでしょうか。
素振りや型稽古だけで、模擬戦をしていないような印象があります。
模擬戦と言っても防具試合のスパー(現地ではトーナメントという)ではありません。
エスクリマで言うスパートは、フリーのタピタピのことです。
これをすれば、練習して磨いた技を自由に繰り出す楽しみが味わえます。
ただこれは、概念への理解が必要なのでどうしてもまだ外国語で習う日本での環境ではちょっと理解が遅れていたのではないでしょうか。誤解でしたらすいません。
今回、基礎錬で学んだ技術を使って動画の中でフィリピンの人たちが楽しそうにやっている「アレ」の仕方を我々SMACでは多くの人に広めて行こうと思っています。
ルーティンからルーティンへのシフトの仕方、どこでとどめを刺して終わらせていいのか、そういう説明されないとわかりにくい現地での「お約束」を紹介していこうと思っています。
この年末年始のお休みに、去年と同じくまたサービス・レッスン・キャンペーンを設けたいと思っています。
ご興味を持たれた皆さんはぜひ日時の発表をお待ちいただければと思います。