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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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立ってるばかり

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私たちの拳法では、まず基本となる練習が立つことです。

立つ拳法というと、内家拳のようだとか、意拳が代表的だと言うような印象を持つ方もおられるかもしれませんが、何しろ元祖は南派少林拳です。

内家拳の経験者の人がうちの練習を見て「南派はこんなに内功をするなんて知らなかった!」とよく言いますが、まさにこれこそが日本における北派の傲慢、誤情報の流布の結果です。

香港映画の数々を思い出してください。ジャッキーはひたすら立たされて気功をしていましたね。

立つ練功法を站椿や站功、立禅などと言いますが、これ、文字通り禅。つまり、そもそもは少林派の練功なのです。

いわゆる内家拳の実質上の創始者とも言える楊露全は站椿を教えるに当たって「これはそもそもは少林の練功法なのだ」と言っていたそうです。

また、日本で人気のある拳法マンガでも、主人公の少年がひたすらに立つだけの練功をするところから物語が始まりました。

そして、立つ拳法の印象が強い意拳は、南派の影響を大きく受けた拳法です。

主客転倒と言うか、そもそもがひたすら立つというのは我々の専売特許だったのです。

さらに言うと、うちはそれが特に特出した派です。

蔡李佛の中での分類で言うと、洪聖派は套路を重んじ、北勝派は用法を重んじ、我々鴻勝は練功法を重んじると言われています。

多くの中国武術門派でも、套路、用法、練功法のどこに特にウェイトを置くかはわかれるところでしょう。

練功重視、とくに立つことが勁力の根幹であるというのは、比較的短い期間の教練で多人数の兵士を養成するためには効率的な方法だったのではないでしょうか。

立ち尽くして内側を作ることが、人をバシバシ吹っ飛ばす我々の多人数戦向けの発勁を作ります。

タイミングや複合動作のような複雑なことはしません。ただ立つだけのことが勁力になります。

このやり方なら、強大な力が短期間で身につけられます。

いまの学生さんも三年もあれば一人前になると思っています。そのあとは、それぞれ何か複雑なことをする門派に行くなり、套路や実用法の研究を深めるなり、それぞれの興味の向くことをすれば良いと思っています。

なにをするにせよ、強い内勁をまず持っていれば、確実に全体の功によい影響を及ぼすはずです。


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