まずはこの動画をご覧ください。
私たち鴻勝蔡李佛のアイドル、何佩岷師父の套路です。
別に可愛いから見て欲しいという理由で貼ったわけではありませんよ。彼女の馬(立ち方)がわかりやすいのでお手本になってもらっています。
丁寧に平馬を作っており、前後に足を開いた子午馬も大きい。これを見る限り、典型的な広東南派拳法、あるいは北派で言うなら長拳類のように見えると思います。少林武術らしいと言えば非常にらしいのではないでしょうか。
蔡李佛ではこの馬の基本を五輪馬と呼ぶ五種類に分類しています。原則、そこを離れることはありません。それがよくわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=YyGZWvTgkjE
では、次にこちらの老師父の動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=h1YzoeLMXCY
これは高級套路の表演です。
初めの礼式の部分では大きな開合を表現している部分がありますが、それが終わって套路本編に入ってからの馬に注目していただきたいと思います。
これは、五輪馬の最初の一つで吊馬と言います。
平馬や子午馬のような大きく足を開いたスタンスではなく、この高く狭目の物が五輪馬の最初の一つです。
その武術の最初の一手には極意が含まれていると言いますが、我々の場合はこの吊馬がそれにあたります。
もちろんこれを低く広くして行く過程がその後にあるのですが、高級套路になった段階では私は「この套路の時は高くして」と言われました。
低くしろならまだしも、高く立てと言われることは珍しい。
高いことに意味があるということなのでしょう。
そして、その立ち方からくるこのステップ。
中国のある先生が「心意の歩法はタンターンタンという独特のリズムがあるのが特徴だ」と言っていましたが、この移動はまさに心意の移動法そのものです。
長拳類の形から入って、練ってゆきながら小さくしてゆき、やがてこのように昇華してゆくというのが、少林武術の特徴なのではないでしょうか。
これがどの程度広範的な物なのかはわかりませんが、少なくとも少林の継承である南派の蔡李佛では、このような変化が存在しています。