膝の件の追記を。
そもそもが、中国武術では気功によるアプローチでガンガン身体が改造されてゆくのが普通。
日本では効果の無い物をやって満足しているのが普通になっているようだけれども、中国ではまったく違う。
指が曲がらなくなるほど手が一体化して強くなったり、頭の形が変わったりしている武術家は沢山いる。そもそもそういう風にするためにやってるんだから。
これは単にビール瓶で脛を叩いて変形させたり拳だこを作ったりしてるのとはレベルが違って、どちらかと言うと水泳選手の水かきに近い。
東南アジアに居る、無呼吸で数分間海中に潜ったりする部族の人たちや、裸で雪山をクライミングするアイスマンさんたちと同じく、身体の深いところから変わっていく。
特に、骨を膜でくるんでゆくことを膜騰起と言って、これは少林武術では当然のこと。
最近読んだ医学的アプローチから東洋の体育を分析した本によると、これはどうも筋膜や骨膜、腱膜と言った組織が発達していることで起きる現象である模様。
だもんで、普段から私も身体が自然に変形してゆくことにはなじんでいたので、今回膝が膜に覆われて骨格のソリッドな形が見えなくなってきたことに関してもいつものことだと思ってた。
でも、こういうことが分かってないお医者だと、メインのお客になってる高齢者と同じ分類方法で流れ作業みたいに処理してくから、ちょっとよくわかってもらえてない印象がある。
ベンチで180挙げるラガーとか、体脂肪が一桁なのに体重三桁のボディビルダーとか、そういう人をある程度経験しているお医者さんじゃないと分からない部分が多いんではないではないだろうか。
土台の肉体が極端に肥大しているとか可動域の場所そのものが変化しているとかの、個人用にカスタマイズされた肉体っていうものに対して高い関心と意欲がないと「臨床例が無い面倒なのが来たなあ。レントゲン取って電気かけてシップでもだしときゃいいか」で済まされてしまうように思う。
なので一応専門家は当たっても明確な答えが返ってこなかったので、自分でもアプローチしてみることにした。
この辺りで決めつけないで、ちゃんと医学をまず当たってから古伝の考えや自分の感覚に行かない人が完全に魔境に堕ちる自己流武術家の人たちなので、私はそうならないようにしてる。
三焦経への気功でリンパを流してから、膝の外側が引っかかるように痛くなったということは、20年来の半月板の損傷が負担で悪化してきたのを、リンパが集まってきて潤滑して補っていたのかもしれない。
それを流したから痛みが表面化したとは考えられる。
リンパが集まったから右の下腿が肥大しているというのはたぶんお医者さんたちの見立てが正しいのだろうとは思うのだけれども、それは必要だから起きているのだとしたら流すべきではなかったのかもしれない。
ただまぁ、膨らんでるから物理的に干渉して膝曲げにくいんだけども。
左右の可動域をお医者さんたちも比較してくれたんだけど、これもやっぱり運動してない人向けの検査っぽくて、一定のとこまで曲げて「痛いですか?」って聞いたりするんだけど、そりゃ前の日とかついさっきまでとか運動してて慢性的に疲労はしてるから筋肉を伸ばされればストレッチ効果の痛みはあるよね。それが気持ちのいい痛みか負傷からくるのかを訊かれたりはしなかったから、たぶんそこまで検討してないんだろう。
可動域に関しても同じ。
運動してる人の可動域ってストレッチで正常状態になるから、慢性的な疲労の段階ではそりゃあ弱い力ではいきなりは動かない。
運動家はいきなり関節を曲げ伸ばしすると事故を起こすことがあります、って確かお医者さんが書いた運動指南書にも書いてあると思うんだけどなあ。
さらに深いところに近づくと、この可動域そのもんが各運動家はカスタマイズされてるから。私なんかは明らかにふくらはぎだけが肥大してて、しかもスポーツ選手カーフみたいになってるんじゃなくて中国武術的な受動的な鍛えられ方での太さだから、これはぶつかってそりゃあ力を加えなきゃ本当の可動域が分かるわけはない。登山やってる人とかも割にこうなるんじゃないのかな。
まぁ中国武術家は下腿と前腕が重くなるっていうのは独特だから、極端にサンプルが少ないのかもしえないけれど。
でね、その下腿の太さによる可動域の狭窄って言うのが、なんかの管を圧迫してるんじゃないかと少し思ってる。
これがエコノミー症候群になる奴で、私みたいに配送の仕事をして一日の多くを座ってる人にはあり得るんじゃないかな。一つの可能性として私はピックアップしてるんだ。
確かめられるかどうかわかんないけど血圧を測ってみたんだけど、血圧も気功が出来ると意図してものすごく下げられるから正確なところは判別できなかった。
こういう身体はもう自分しか分からないような気がする。色々やってみるしかないのかもしれない。