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中国武術家の身体は分からない 二つのシステム

 中国武術家の身体は練功で改造されてしまっているのでよくわからないことになっている、ということを書きました。

 私の身体は格闘技時代にボロボロになっているのを、中国武術の練功で作った部分を活用して動かしているため、古武術式の整体をしている学生さんなどに診てもらうと、こんな体で動いているのは信じられないと言われてしまったことがあります。

 整骨の先生でも整形外科の先生にも同じように理解されないので、まずは基礎のシステムの理解をしてもらうことが出来ません。

 我々の身体が、もともとのシステムと、練功で作ったシステムの二つでなりたっています。

 もともとの物は赤ん坊の時から覚え始めて自分なりに使ってきたことで積み上げられてきたシステムで、人それぞれに違いがあります。

 練功で作ったシステムは一つです。

 なので、このシステムを入れることで、誰もが一定の所まで同じ能力をシェアすることが出来るわけです。

 今回、お医者のアドバイスに従って膝に負担を掛けないようにしている間にまったく歩けなくなったのは、実はこのメインのシステムを切って元のサブシステムに戻した結果、ありのままのただの故障者に戻った結果だったのではないかと言う気がしてきました。

 現在はそれでは日常生活に問題が出すぎるので気を通し、無理やりスパルタがちのリハビリをして歩けるようにしています。

 普段通りに発勁などを試してみるガッツはありませんが、勁で身体を支えることでそれほど膝も傷まずに套路を打つくらいが出来るようになっています。

 だからレッスンは出来る。でもあんまり調子に乗っちゃいけないんだろうなあ……。

 面白いことに、この勁で身体を立てて膝を痛くしないようにして歩く時の動きというのは、鶏行歩なのです。

 やっぱりシンイーのシステムでポンコツな身体を活用している。

 これが一番痛くないし、足も引きずらない。

 ポンコツなサブシステムのためもあって、私は普段からこの中国武術のメインシステムで日常行動をしています。

 すごく順調な時は、くもの糸に跳ね返されます。

 無駄な力が抜けているし、体重を投げ出して使っていないので、出がけにバイクに乗ろうとしたときに、ハンドルから壁の間に張られたクモの糸にぶつかるとポヨンと弾力で跳ね返される。

 もちろん糸は切れない。

 まぁそのあとでせっかく作ったのにごめんなと思いながら切ってから通るのだけれども。

 この、ベンチで161キロ挙げる、割とごついタイプのおっさんがそうやって力を抜いて体重を制御して暮らして居るというのは、ものすごく中国武術家らしいことです。


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