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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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見えないし分からないくてものすごく近い

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 外からは見えない。見ても中身はわからない勁。それをいままでも繰り返し書いてまいりました。先日、ある学生さんがようやく套路に入ったのですけど「こんなに疲れるとは」と感想を言っていました。

 そう。本当にやると、型は全然楽ではありません。

 中国ではよく知られている「疲れる拳法」の面目躍如です。

 きちんと内勁を使っているから、時に悲鳴が上がり、終わればうずくまってしまうほどに疲労します。

 何度も繰り返し出来るような、体操的な疲労とは違う種類の物です。

 この、見えないけれど勁が働いているというのに、我々はすでに慣れてしまっていましたが、この間のワークショップで「なんで痛くないのに吹っ飛ばされるんですか?」と質問をされて、あぁそういうものだったな、と改めて不思議に思いました。

 確かに、触れるまでの距離より、人が吹っ飛ぶ距離の方がはるかに大きい。そして接触面に痛みは無い。これは一般的な、固い物が激突してその表面の痛みが中にも入ってくるという順序とはだいぶ違いますね。

 私は物理の専門家ではないので理由はよく分からないのですが、でも正しいやり方を身に付けさえすればいくらでも行うことはできます。

 質問をくれた参加者の方も、よく分からないままに発勁が出来るようになってきていました。

 もちろん手の力を誤用している訳でもなく、ちょっとコントロールが難しいくらいの距離で肩からも発勁して靠で相手をとばしていました。

 拳よりも掌、肘よりも肩、頭よりも背中。そういう、一見攻撃性が高くないところで自由に発勁が撃てるようになるところに、この拳法の面白みがあるような気がします。



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