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空白でほどく

 ルーシーダットンの今回のカリキュラムである90ポーズあまり、無事さらうだけは終わりました。

 あとはひたすらプラクティス。

 ほとんどの動作は、習った初日は身体がうまく馴染まないで苦しかったのですが、初日より二日目、二日目より三日目に身体が馴染んで、苦しさが減ります。

 前の日に負担が掛かっていた軟組織が伸びている感じ。

 日々少しづつこれが出来るようになるのは、同時に体の中の固まった勁がほどけて行っているということでしょう。

 そんなことになったら功が失われるということがあるかもしれない。

 しかし、逆にそれは陰陽の入れ替えが良くなるのではないかと言う気がしています。

 身体の内側がほどけて体内に空白が出来るということは、拳術を行うときに作る単重の入れ替えが明確になる気がします。

 陰を明確に作れるからこそ、相対的に陽の部分が出来る。

 剛柔相斎なんて言うのはこういうことでしょう。

 功を作った体を解いて虚を作る。このためのルーシーダットンなのですが、日本人の中国拳法修行者は特に放鬆が苦手だと思われますので(私がまさにそう)実は予想外に重宝するかもしれません。

 特にアンバランスなポージングなどは、それを維持したまま動くので途中でバランスが変わるので力が入っていては難しい。

 拙力でなくて勁でもどうようでした。

 困ったときの勁頼みに作られていた私の体ではまったく通じず。

 大変に良い可愛がりです。

 勁を逆行させて抜いて行かないとなりません。

 さらに言うならこのルーシーダットン、呼吸が普段の中国武術や気功とは反対です。

 普段の呼吸では小周天の経路を活用して、背中側から吸気を下ろして前に巡らせて、吐く時には下腹部の丹田に入れるというやり方をしているのですが、ルーシーダットンでは一般的な腹式呼吸です。 

 鼻から吸って下腹部を膨らませて、お腹をへこませて口から押し出す。

 この呼吸になれるだけでも最初は大変だったのですが、バランスの厳しいポーズでこれをやると、途中で重心の直径が変わるので慣れるまでは揺らぐのです。

 直径が変わってもその中心は一定なのだから崩れるなどというのは甘いのだ。という説もあるかもしれませんが、ポージング自体がその下腹部を片方の膝を強く抱え込んで片足立ちだったりするので、お腹を強く膨らませると言うことはすなわち抱えている足を推すことになるので反作用が軸にかかることになります。

 ほら大変。

 常時変化してゆくバランスをそれに合わせて維持するには、やはりある程度の柔らかさで変化を自分の内側に飲み込んでゆく要素が要るように思います

 内側を柔らかくするよい訓練のように思われます。

 ここで面白いのは、主に動くときに吸って、吐くときに戻すというところです。

 これもやはり一般には逆であるように思いますので、身体をほどくものだから逆なのかなあと思ったりします。


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