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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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繋がったという感覚

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 先日、あるモデルの方のトークを聴きました。

 なにせ私はモデルさんがファッションや音楽について話してるような番組が大好きですから。

 少し前、モデル事務所ではローラさんのように話すようにという指導が所属モデルに通達されるということがあったそうです。

 しかし、そのモデルさんはまるで逆で、かなり丁寧に話そうとしては、つっかえつっかえになってしまうところがキャラクターとして愛されている方です。

 どうもそれは、非常に厳しいおばあ様に育てられたためらしく、彼女の話ぶりからは常に謙譲の姿勢を保とうとする部分が感じられます。

 その彼女がモデルになったきっかけなのですが、どうも元々は女優になりたかったそうなのです。

 ハーフで身長が高いということでスカウトをされたそうなのですが、その時もモデルではなくて女優がやりたいといったそうです。

 しかし、そのきっかけのためにもモデルをやるべきだと説得をされていまに至っているそうです。

 そんな彼女が何気なく言ったのが「うまく着ると服が笑っている」という言葉でした。

 それを聞いて司会の男性タレントが「モデルさんてのはもっとナルシストで自分が一番なんだと思ってると思った」というと「もちろん仕事をするために自分が最高の状態でなくてはならないんですけど」と言い「服をよく見ると、それがどういう形で着られたがってるかが感じられる。服が主役なのでそれを見せるのが仕事」と言っていました。

 これ、すごく私たちのスタンスに似ています。

 物事に働いている力の流れを感じ取り、それに調和して活かすために自分を最高の状態に持ってゆこうとする。

 これは気功の考え方そのもののようです。

 自分を主にせず、より大きなものの力に寄り添い、そちらを十全に活かそうとすることで結果自分もよく生きることになる。

 自我を殺すことで大きな物が生きる。

 これをするために必要な感覚が「つながる」ということだと私は思います。

 自我を薄れさせると、対象に働いている力が感じ取れやすくなる。

 それに寄り添うことで、対象の力と自分が「つながる」。

 これは道具などだけが対象ではありません。

 例えば、道の向こうにいる猫とふと目が合ったときに「つながった」と感じることがあります。

 そうすると、呼んだら猫が駆け寄ってきたりする。

 こっちが向こうにいいなと思っていて、向こうもこちらに猫らしい好奇心を感じているというお互いの感心がつながったときなのではないでしょうか。

 モデルさんと服のように、猫と私のように、鉄棒と片手のように、心を澄ませればつながる時があります。

 その時、両者は陰陽関係で結ばれて、二つで一つの力を形作ることとなります。

 自我を薄め、調和の中に生きるとき、命は穏やかな心地よさに至ります。

 

 


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