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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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久しぶりに、タオい人の話

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 ちょっとぶりに、ラジオで聴いた面白い生き方の人の話を書きましょう。

 その方は、元々競馬の調教師をされていたそうなんですね。

 それが、ITバブルの時代に回線工事の会社を始めたのだそうなのです。

 ご本人が仰るには、日本で一番最初に始めたのはうちだ、とのことでした。

 そうして成功をしたのち、今度はバブルと言う物そのものに興味を持って、中国経済のバブルを生で見てみたいと感じて中国の大学に一年間留学に行ったそうなんですね。

 帰国後、初めて日本でサラリーマンと言う物をしたそうです。

 これだけ色々なことをやっただけでも十分すごいことだと思うのですが、この方のすごいところはこれからです。

 この方は「自分は一貫したことを何もやってないな」と思ったんだそうなのですね。

 普通、たいていの人と言うのは上に書いた経歴の内の一つでもしていたら、それだけを支えに残り人生「おれはこういうことをやったんだ」といつまでも言いながらしがみついて同じ日々を送ってゆくものですよ。

 なのにこの人はどんどん色々なことをやり、かつ、「俺は何もしていない」と思うのです。

 これ自浄作用です。

 自分自身を見返して否定する力があるかないかで、人生のうちに進める距離と言うのはものすごく変わる。

 この方は、そこから「じゃあ自分がいままでずっとしてきたことってのはなんだろう?」と考えたそうなんですね。

 結果、そう考えれば中学生の頃からカメラ好きだな、と思い当たったそうです。

 そして、じゃあカメラマンに成ろう、と思うのですね。

 それも、スポーツカメラマンに成ろうと。

 ここで、古巣のツテを辿って競馬界に口を求めれば普通なんですけれども、そうじゃない。

 サッカーのFIFAの公式カメラマンになろうと思うんですね。

 それで、ロシアで行われていたワールド・カップ会場に行ったのだそうです。

 そこで、片言の英語で通じる人に片っ端から話しかけて、千人ぐらいに「FIFAの関係者知らない?」と訊いて行ったそうなんですね。

 結果、フランス人のFIFA関係者に会うことが出来た。

 それで、自分をFIFAの公式カメラマンに雇ってくれないかと持ち掛けたんだそうです。

 すると相手の人も、話をする時間を取ろうとしてくれて「君のこれからの予定はどうなってる?」と訊いてくれたんだそうなんですね。

 試合が終わったらシベリア鉄道に乗って神戸に帰る予定だったのでそれを言うと「面白いね」と興味を持ってくれて、じゃあ自分も一緒に鉄道に乗るからその間に話をしよう、ってことになったんだそうです。

 さぁ、みなさん、またここからですよ。

 出来る人同士の会話がここで出ます。

 シベリア鉄道の中で、このフランス人が「俺が一番尊敬しているスポーツ選手は誰だと思う?」と質問したんだそうなんですね。

 それで、この人はフランス人でサッカー関係者だからと言うことで「ジダン」と答えたんだそうです。

 すると「自分がそんな普通の答えの質問すると思うか?」と言われたんだそうなんですね。

 ここなんですよ。

 もし、これがお約束をなぞることを快として至上とする日本人の会話だったら、ジダンなんですよ。

 でもこれ、すでに結果を出している出来る世界の強者と、その世界に切り込んで行っている人間の真剣勝負の会話なんですよ。

 そういう「お約束」の話は1ミリもしてないんですよね。

 その意味で、このトーク・セッションではこの人は一敗地にまみれてしまいます。

 しかし、この後この人はちゃんと取り返します。

「今持っている写真の中から、君が一枚選んで見せみろ」という審査を受けたそうなんですね。

 そこでこの人は、試合会場で取った写真では無くて、スポーツバーみたいなところでモニターに映っているの見ている時に撮った写真を出すんですね。

 それで「なんで生の写真じゃなくてこの写真なんだ?」と訊かれたそうなんです。

 するとこの人は「これが、俺がアマチュアとして最後に撮ったスクリーン越しのサッカーの写真だからだ。次の写真からは、会場で生で撮ることになるから、この景色はもう撮れない」と答えたそうです。

 すると相手の人は「ウェルカム・トゥFIFA」と答えてくれて、それでそのままFIFA公式カメラマンとなったとのお話でした。

 これが、出来る者同士の世界だと思うんですね。

 そして、平均的な日本人がまったく触れてきていない世界だと思うんです。

 この人は、日本人はもっと日本人に生まれて恵まれた利点を使うべきだって言うんですよ。

 日本のパスポートは世界最強クラスの力がある訳です。

 例えばアフリカに生まれたら、どれだけお金持ちだとしてもロシアのワールド・カップには行けなかったりする、と彼は言うんですね。

 だけど、日本人だったらホントにワールドカップが見たいと思ったら、一か月くらいコンビニででもバイトすれば生で観に行けるっていうんですよ。

 これ、私がずっと言ってきたことですよね。

 いまならそれが出来るから、本当にやりたいことがあるならやればいい、って。

 世界のどこにでも行ってやれるって。

 で、実際オンタイムでその記録をここに残してきてますよね。

 今後、日本経済は悪化しかしないし、このままだと政情も悪くなって往来できる国は減るかもしれない、だからいまのうちにやればいいって書いてきました。

 そしてCOVIDが起きました。

 それについても初見も書きました。

 日本はワクチン対応世界最悪クラス。

 こういうことで往来の幅が一気に狭まりました。

 物理的環境が整っていても、出来る人間と出来ない人間の差はものすごく大きく出ます。

 そして、その環境もやがて閉ざされてゆきます。

 自らを省みること、自覚をすること、行動すること、この方のお話からはこのようなエッセンスを得ることが出来ると思って引用させていただきました。


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