日本のワクチン接種率がアメリカを追い抜き、経済的にはバブル以来の最高値がマークされたことで旧社会のシステムが持ち越してまだなんとか行けるかもしれないと思われた方も多いかもしれません。
私もあるいは、これはそういうこともありえるのか? と感じ、それがために、いや、だとしたら長期的に見た時にはかえって周辺諸国に水をあけられるからむしろ遅れてしまうのできついかもしれないという感じさえしました。
ですが、専門家の話を聴いてまた少し見解が変わったということがありました。
そのお話のキーワードは、中国です。
以前から中国の反民主化運動と、その帝国主義と経済成長に日本はおそらく飲み込まれるだろうと見ていたのですが、どうやらどうもそうではないかもしれないというお話でした。
と言うのも、現在、共産党では習近平主席を中核とする派閥と、共産主義国家そのものを支持する派閥に分かれているそうなのですね。
習近平派の思想としては、自身を第二の毛沢東として巨大な政権をまずは作ろうという計画があるそうなのですが、別の派では純粋に共産主義そのものを展開したいと言う意見があるそうなのですね。
そちらの派が発表したことには、いままだ、中国の半数以上の国民が日本円にして一万円台の月収なのだそうなのですね。
それはもちろん広大な国土をしめる多くの農村部の人達の現実なのでしょう。
先進化している沿岸の都市部以外にはそういった人たちの世界が広がっている。
鄧小平時代に唱えられた先富主義と言う物があるそうで、これはつまり、まずは先進できる人々が先に裕福になろう、という考え方です。
そしてそののち、富裕層が富を分配して共産主義をかなえよう、というやり方で、実際に90年代以降の中国の経済発展の方針となっている物です。
で、今現在、中国は世界二位の経済大国にまで成長しました。
そこで、中華人民共和国最高国家行政機関である国務院の首相である李克強国務院総理らは、富の分配を始めようとしているそうなんですね。
するとどうなるか。
経済が物凄い勢いで消耗してゆくのですよ。
農村部の人達にばら撒いても、使われるだけで経済の拡張には繋がらない。
となると、これは経済先進階層にさらに稼いでもらわないと採算が合わないのですが、なんとこの人たちのモチベーションが落ちているのだというのです。
中国では、アリババを始め先進企業で996工作制と言う物が行われてきました。
工作と言うのは中国語で仕事という意味です。
996と言うのは、朝の9時から夜の9時まで、週に6日間働く、という意味です。
確認を取るために調べたところ、残業代などはしばしばでないとウィキィペディアにはありました。
さすがは人権などは西洋社会の資本主義の考えだと発言する国であって、エリートでもブラック企業努めです。
しかも、上述した鄧小平派の政策で、大企業からの徴発が行われています。
懲罰や募金という名目で、成功している企業から国へと数千億から一兆(円換算)の資金が取られているそうなんですね。
アリババのジャック・マー氏が国外逃亡し、会社が国に乗っ取られるという報道がありましたが、その実態にはこのような国からの搾取があったそうなのです。
個人、企業、国という搾取構造ががっちり出来上がっている。
このため、経済成長が働いているエリートたちの幸せに直結しない環境があるらしいのですね。
それが原因で現在、若いビジネス・エリートたちの間で毛沢東の人気が上がっているのだと言います。
苛烈なブラック企業での労働を離れて、帰農したいと言う幻想が広まっているのだと言います。
これと同じことはバブル崩壊前夜の日本でも起きていたように記憶しています。
結局、先富論で富裕階級が頑張って働いても、幸せにつながらないのでモチベーションが下がっている。
大企業の運営側も、細部を削り無駄をなくして改革的なチャレンジを繰り返して企業成績を上げても、国が成長に目をつけると横から高額の臨時徴発を行ってゆく。
これでは経済は頭打ちになります。
この成長の阻害と農村部への供給によって、中国経済は退行すると言うのが世界情勢の見方だそうです。
そして、です。
アメリカの経済が揺らいだ時に、世界中の投資家は当初見込みでは中国に資本を預ける予定でした。
しかし、中国経済のこの事実が読み取れたため、暫時の預け先として安定度がある次点の日本に一時避難的に投資をしたのです。
これが、バブル時代以後最高値の正体だと言います。
つまり、実態無きバブルの再来です。
これでは日本経済が発展するという足掛かりになるとは言えません。
そして、中国の成長も止まって再び西欧社会のイニシアチブが想定されます。
さらには、中東の混乱。
これはまるで、冷戦期の再来のようです。
日本は確かに、混迷のアメリカ合衆国よりはワクチンの普及率が上がりました。
しかし、イギリスなどの多くの先進国よりは後れを取っています。
さらには、経済においてもアメリカ、中国と言うこれまで間に入って頼って来た二大大国の意向に揺らぎが見えています。
安易な楽観はしない方がよいでしょうね。
ましてや、オールド・ノーマルのままで行けるなどとは。