このところ、自分の中での五祖拳の打ち方が良く進捗しているように感じています。
この打ち方は、言うならば双重における心意拳の発勁のような感じです。
私が教わった物に関して言うなら、心意拳の方が見た目の動きが大きい。
使っているシステムは同じなのですが、五祖拳の方がより微細です。
逆に、白鶴拳は共通のシステムを使っていても足から上の部分の操作が大きい。
威力で言うなら、心意拳>五祖拳>白鶴拳であるように感じています。
ただ、この中で五祖拳、白鶴拳が実戦で高名であるように、いかにもこの二者は使いやすいと言った印象がどんどん強くなっています。
立ち方などがすごく普通の日常状態のまますっと打てるので、大変に便利なんですよね。
外形的には空手と変わらないと言えばその普通さが伝わるでしょうか。
白鶴拳、五祖拳は鶴法の名の通り、鶴の羽のような動きの両手での前捌きに特徴があります。
これもまた非常に普通っぽくて勝手が良い。
白鶴拳だとそのまま裁いてゆき、いなして入り込んでゆきます。
この動きは明らかにフィリピン武術が取り入れた物でしょう。
現状まだ両者をきちんと比較検討できる人間が私しかいないので他の意見を参考にすることが難しいのですが、地理的にも隣接しており歴史的も交戦の歴史が長かったことと照らし合わせても、影響があるのは間違いはないでしょう。
このようにフィリピン武術や空手に類似したルックではありますが、白鶴拳の打撃は中身が勁なので非常に威力が強い。
ましてや打人法の要求が強く、初めからえげつなく利かせる打ち方で行われます。
五祖拳になるとパワー寄りの調整になっていて、さばくのみならずひっ捕まえて正面からより強力な攻撃を打ち込んでゆく要領が強い。
いずれにしてもものすごく実用的というか、さぞ古人においては勝手が良かったのであろうなという印象です。
この勝手の良さは、都市戦や船上での戦いの中で培われた物なのかもしれません。