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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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自他の区別

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 最近、旧ソ連圏の話題が多いこちらのページですが、先日いつも観ていたジョージアのYOUTUBERの方の動画で驚くべきトピックが扱われていました。

 というのも、彼女の視聴者からのコメントで「タトゥが入っているなら消して下さい。じゃないともう観ないです」という物があったというからです。

 これは驚きました。

 本気で書いたのか、ホントにあったことなのかも不明な出来事ですが、いかにも日本人が言いだしそうなことではあります。

 自分が観ないという対価で、相手が高額の外科手術をすると思えてしまう取引感覚、頭がおかしい。

 これ、発達障害の人にありがちなバウンダリー・オーバーという現象です。

 バウンダリーとは境界のことだそうです。

 自他の境界が分からず、他人を自分とは違う価値観で関係の無いところで生きている独立した個体として尊重をすることが出来ないのが、バウンダリー・オーバーです。

 大抵の人は幼少時にこの状態を乗り越えるとされています。

 我々もみんなそれくらいの時期に「人のお世話を焼く前に、自分のお世話を焼きましょう」と言われて育ってきはしませんでしたでしょうか。

 ある空手家、確かムエタイのベルトもいくつか取っていたのではないかな、の方は、元々中学生まではサッカーをしていたそうです。

 しかし、三年生くらいの時に仲間から「高校言ってもみんなで一緒にサッカーしようぜ」と言われて、そういうなれ合いが嫌いだったのでサッカーを辞めて空手を始めたと言われていました。

 これは、中学生時代までの群れ意識が強く自己の確立が定かでは無い時代にありがちな環境に対して、彼は自己の確立を求めて先に成長したという例でしょう。

 一般的に、日本の体育会系というのは依存的な群れ意識を尊び、自己を確立することを嫌う印象があります。

 そしてそういう人間は就職に有利だとされており、日本社会にニーズがあると言われています。

 イエスマンで上司の意見には笑顔で同調し、必要品を買う時は会社の商品を求め、上司より高い衣類は決して纏わず、自分の昼食の値段さえ他の社員より低く見積もる。

 そういう人間が「立派な社会人」と見なされるのがこの国のビジネス社会です。

 そんなことしてるから世界的に大暴落をしているのでしょう。

 だってそれが仕事だって思ってたって、外の世界との取引の間になんの関係もないですもの。

 このような他人の顔色をうかがうことが仕事だと思っているような模範的サラリーマン社会においては、能力も上司より上に行かず、同僚より突出しないように抑えるというように業務に多大な影響を及ぼすということです。

 ましてや、営業出身の社長がやっているような中小企業だと、成績の高い社員に社長が嫉妬して足を引っ張るようなことさえあります。

 自分の会社の業績を、自分のくだらない感情のために一生懸命下げようとする。

 ばっかじゃないの。

 このようにして、自他の区別のつかなさは公正な取引感覚に繋がりません。

 互いに団子になって足を引っ張りあいながらまとめて沈んでゆく。

 もう30年もしたら、旧ソ連圏のジョージアやウクライナに、日本は経済的に大敗を喫するかもしれませんね。 


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