さて、今回「逆襲のシャア」と「BEYOND THE TIME」について語るにつきまして、これね、コラボ動画がYOUTUBE上に上がっていますので、そちらをご覧いただきたいところです。
これ、上手に編集してあってお話と曲のリンクがよく分かるように出来てますから。
えー、ですね、私の記憶した感じで言うとこの映画のお話はと言うとですね、一年戦争が終わった後もくすぶっていたシャアは、いままでは私的な報復をどさくさ紛れに叶えるために戦争に関わっていたはずなのにどうやら政治意識に目覚めたらしくて地球連邦に関して叛意を抱いているんですね。
ここも当時の私にはわかりにくかったんですけど、ガンダムの時は子供から見て「いいもん」に見えていた地球連邦と言うのは、それ以後既得権益団体として悪として描かれていることが多いようなんですね。
これは、国連やアメリカによるグローバナイゼーション的な物、いわばSDG’Sのパラダイム・シフトより前の白人帝国主義的な物であると考えていいのではないかと思います。
シャアはそこに対して目を覚まさせるためにテロ的な抵抗をしているようです。
アムロ・レイはやはり地球連邦寄りの人として軍事活動をしているようで、PVではかつて自分が殺したララァのことで激昂してシャアに殴りかかっている姿が描かれています。
自分が手を下して殺したくせに、相手のせいにする。しかもそこから学ぶことなくまた出会うなり怒り狂って暴力を振るう。こういう人間の心が戦争を起こすのだ、という気もします。
その場を離脱したシャアは、さらに小惑星みたいなのを地球に落とすテロ活動に従事します。
この、コロニーとか小惑星とかを地球に落とすというのは、ガンダムで毎回オープニングで既成事実として語られていたとおり「人類は自らの所業に恐怖した」という大量破壊兵器なんですね。
アルマゲドンなんかの映画があったり恐竜の滅亡理由として巨大隕石落下説があるように、一定以上の質量のある物が地球に墜落してくると、その衝撃で地面が割れるとかそういうことではなくて、環境そのものが破壊されて誘因的に継続して大量の生命が喪失するようなんですね。
しかも、その環境が自動的に回復する訳ではない。
環境汚染そのものを威力としたダーティ・ボムなんですよ。
で、元々単なるエース・パイロットと言う小規模な戦術の専門家であったはずのシャアがこういうことをするのは違和感があるのですが、どうも彼自身もこれには非常に葛藤があるようなのです。
イケメンで著名人で銘家の子息で戦争の英雄なので当然モテモテでまだ若いという彼なら、自分のことだけ考えていれば幸せに小さな生活を送れるはずなのですが、どうも前作でニュー・タイプという物に触れてしまったためか宇宙的な世界観に捉われてしまっていて、小確幸の中に生きることは難しい。
宇宙的な市民としての倫理としての闘争に身を置かざるを得ないようなのですね。
そのために、大量殺戮と取り返しのつかない環境破壊ということに苦しみながらもまさに「自らの所業に恐怖」しながらも、人類を揺さぶって目覚めさせるためにはこれをするしかないという葛藤の中に彼はあるように見えます。
そうやって苦しみながらも、頑張って愛人に慰められたりしながら地球の破壊に手を下す、というのがこの映画のあらすじだったと思うのですが、ええ、記憶違いだったらごめんなさい、なにせ三十年くらい前に見たきりですので。
この粗筋を楽曲を切り口にどう見るか、というのは次回にお話いたしましょう。
つづく