蔡李佛拳と言えば五獣の概念がありまして、すなわちは虎、鶴、蛇、豹、象。
これらのうち、もっとも特徴的な象の部分は恐らくはタイ族に伝わる泰拳からの流入部分を意味しているのであろう、というのが私の見立てなのですが、それで言うなら虎は洪拳、鶴はラマ派白鶴拳をルーツとしている部分だろうと見取れる次第です。
蛇の部分はよくわからない……。
ただ、豹と言うのは全体の統一イメージとしては使われることが多いようです。
とはいえ師父からいただいた私の道号は翆虎なので虎枠です。
翆という字には光る翼という意味があるそうなので、若干鶴の要素もあります、かね?
洪拳の中にある虎鶴相形拳と言う套路は洪拳とそこから発生した蔡李佛を足した拳らしいので、こちらの表現では蔡李佛の大枠としての特徴は「鶴」として捉えられているのだろうと推測されます。
そして、その鶴とは別にいま、私は福建鶴拳系の一派である五祖拳を学んでいる訳ですが、これ、その中に猴拳が含まれています。
さらに、これが一定のところまで行きましたら、恐らくは老師から鷹と蛇と猴の拳法を本格的に教えていただくはずです。
あぁ、みんなすごい拳術たちだ……。
ある友人が「まるでキマイラ拳だな」と言いましたが、いえ、一つ一つは混ぜません。
私の中で功夫が補い合うところはあるのでしょうが、それぞれの門派はそれぞれとして独立して学んでゆく姿勢です。
もちろん、それを言った友人も中国で長いこと修行をしてきた強者で、分かっていて言っているのですが。
そして、考えてみれば一つ一つの門派が結構それぞれ元からキマイラ性が高いところが多いですね。
混乱しないように学んで、それぞれの良いところをたっぷりと味わっていかないともったいない。