アジアにおける身体哲学の研究をしてきて、陰陽思想を土台とする気功や中国武術をやっていると、どうしてこの国で突然性的エネルギー信仰の流れが途絶えたのかをとても不思議に感じます。
江戸時代や戦中まではまだそれらの力が民間信仰として普通に触れられるところにあったようなのに、戦後で急速に消えている。
これは、GHQによるプロテスタント価値観の社会を形成するって言うコンセプトのためなのだろうなと思ってはきました。
しかし、それだけではなかったのですね。
長らく戦後日本から物を考える能力が政権リードの形で奪われてきたという、愚民化政策の恐ろしさを書き続けてきましたが、その流れの中にこのようなことがあった。
半世紀以上前の60年代から、最大与党政党がこの国をカルトに売り渡していました。
しかもこのカルトが、日本は女性器で半島は男性器なので女性は男性に奉仕すべきだ、という思想を明言しており、女性性からの搾取を当然のことだと教義にしている思想の団体です。
これは当然国際問題的な思想であると同時に、男尊女卑的でもあります。
信者の物は教団の物だとする根本的な吸い上げ体制の団体であり、有名な合同結婚も上納金の多い信者に対してより条件良好と見られる女性をあてがうための機構として機能していたとも言われています。
単純にそれだけのことでもなく、性交においては宗教的な細かいルールがあるようで、ある種の性的信仰カルトであるともみられると感じました。
ただ注意しなければいけないのは、いくつかの信頼できそうな筋の報道から情報を収集してきた結果、現状一応、決してこの団体が我が国の思想的な面を誘導してきたという訳ではないそうです。
あくまで、自民党が持っているジェンダー観、社会観と合致したカルトであるので提携してきたということだそうなのですが、いや、いずれにせよやっていることは同じなので国民にとっては非常に困った問題です。
自民党の宗教的視点としては、戦前の国家神道の影響が強いと言われています。
この国家神道に関しては、天皇家を現人神として大戦を巻き起こした思想と言う印象が強いかたもおられると思われます。
そしてそのために、敗戦時に人間宣言が行われ、天皇は象徴天皇制が敷かれたことで国家元首ではなくなったと考えているかたも多いことでしょう。
私もそう思っていました。
しかし、自民党はいまから11年前、2011年に、天皇を国家元首として再定義するという憲法改正案を提出しているのですね。
驚きますね。彼らの思想としては国家神道がいまだに土台としてあります。
その証拠に、この改正案では神道は信仰であって宗教ではないという再定義も含まれています。
つまり、これは宗教以上の神聖不可侵の存在だという、文字通り神棚に棚上げすることを意図した改正案だということでしょう。
現在、与党政権において思想的な幅を利かせているという政治結社、日本会議の歴史をたどると、この国家神道に繋がる政治団体「日本を守る会」が前身であることが分かります。
そしてこれらの流れに一貫しているのが臣民思想であり、天皇家を頂点としたイエ観だということです。
そう、これまでさんざん我が国の政治制度において人が生きづらい原因だと批判してきた、移民への姿勢も女性差別も夫婦別姓や同性婚の否定と言う「個の自立」への抑圧全て、この全体思想に由来しているのですよ。
これ、明確にジェンダー観のコントロールがまず根本にありきとなっている。
江戸期までの性的エネルギー世界観を根こそぎ否定する思想な訳ですよ。
まさに私が否定し続けている、悪しき近代化、管理社会化の実態そのものではないですか。
いままでさんざん書き続けて来た色々な問題が、国の在り方の本質で全て一つに繋がっていました。
これには我ながら驚きました。
こういったことが白日に晒されてきたいまのこのタイミングで、ぜひ一人でも多くの人が、既存の価値観を見直し、自分の中の物の基準が体制の意図によって刷り込まれてきた物であることに思い当っていただきたいと思っています。
自分の性と身体を取り戻すことから、精神の自由の獲得は始まってゆくのではないでしょうか。