上のニュースは、オックスフォードが奴隷制時代の英国の栄光を否定し始めていることを伝えています。
記事を見ればわかりますが、この運動は女王の死以前から始まっています。
ロイター通信によると、ロンドンのケンブリッジ大学では学校が歴史上、当時の大英帝国の植民地政策と奴隷制によって莫大な利益を得ていたことが判明したために、この分野での研究に費用と労力を増加して過去の英国の罪を明確にすることが決定されたそうです。
これまでの調査結果としては、ケンブリッジ大学自体が植民地で直接プランテーションを経営し、奴隷を働かせていたというようなことはまだ見つかっていないのですが、ほぼそれに等しい間接的な加担が発表されています。
曰く、奴隷貿易を行っていた企業への投資によって莫大な利益を得ており、またそれらの企業から多額の寄付を得ていたということです。
このページでも取り上げて来た、世界征服機関である東インド会社や、奴隷貿易会社である王立アフリカ会社の投資者からも大学は寄付を受けて経営をしており、果てには 違法商業と奴隷売買を行う海賊組織である南海会社へは、直接の投資をしていた。
また、生徒たちの中にはこれらの企業の子息も多く、学費と寄付金を受け取っていたことも問題視して取り上げています。
学校側によって提出された報告書では「このような経済的関与は奴隷貿易を促進するのに役立ち、ケンブリッジ大学に巨額の経済的利益をもたらした」と述べているそうです。
これらの調査結果の発表は、私が常々書いてきた歴史上の問題や白人優位主義に対して大英帝国側の体制が自浄作用を働かせた結果であると言えます。
バイデン大統領になってからのアメリカも、グリーンウッドの大虐殺の認定と謝罪など、過去に侵して闇に隠していた自らの罪を告白し、保証する方向に政治が動いています。
この流れこそが、現行のパラダイム・シフトの最前線の動きであると言えましょう。
SDG’sというのは現行や未来のことのみならず、過去の罪に対してもこうして向き合って改善することを含んでいます。
一方でこの国では、相変わらず権威主義の専横が続いており、保守と称して戦中の政治表情を継続する動きが政権を得ています。
これではこの国が世界情勢においての重要度を失ってゆくということは、ロシアを見ていれば明白ではありませんか。
いつまでも前時代の帝国主義にしがみつくということは、とっくに有効性を失っています。
我々はもっと、世界と歴史に目を向けることによって、現在の世界がどちらにむかっているのかを察知すべきではないでしょうか。
それなくして、より良い世の中を求めることは私には不可能だと思われるのですが。
個人にも国にも、自浄作用は良い結果をもたらすと信じて疑っていません。
この国では、正しいことと物を考えることを忌避するというヒステリーの類が蔓延しています。
その病を振り払い、改善と向上を求めてゆこうではありませんか。