もう何年も前から、左足の裏、母指球に時々鈍い痛みを感じていました。
中国武術の練功をしながら生活をしている身としては、もしかしたらやりすぎで疲労骨折をしているかもしれないとひそかにビクビクしていました。
友人にはダンスでやはり足裏を疲労骨折したという人もいるので、我が身に振り返っていた次第です。
先日ようやく、少し調べてみたところ、これがもしかしたら中足骨頭足裏筋膜炎という物であるかもしれないということが分かってきました。
まだ数か月程度ですが、学校に通って解剖学や生理学を学んできているので、自分の足を触ってどこがなんだかというのがわずかに分かるようになってきたのです。
中足骨というのは、手で言うと拳の部分の骨です。足の甲半ばから指の付け根までの骨のことです。
この骨は足裏ではいわゆる肉球の部分の内部にあります。
足裏を人体と見立てたときに、胸のあるような部分ですね。
この部分は体重が乗るために、地面と骨の間に肉が挟まれて負担が大きいようなのです。
そのために筋膜が傷むということがあるようでした。
YOUTUBEでこの症状を改善するというマッサージが沢山上がっておりまして、実は私がこの症状を疑ったのもたまたま流れて来たそれらの動画に目を向けたためです。
一応ね、若干治療や施術の勉強を動画でもしているのです。
まぁ勉強の一環だと思って動画に上がっていた足回りの柔捏(マッサージ)法を試してみたところ、これが非常に効果が見られました。
となると、これは疲労骨折ではない可能性が高い。
柔捏を入念にすれば、背面を遡って身体が緩む反応があります。
これは私が平素、発勁を行うときに使っていた後ろ側の力の繋がりのラインです。
キャリステニクスのポール・ウェイド先生なら「リア・チェーンだ」と言うことでしょう。
大師は勁は筋膜の中で繋がっていると言われていますので、この筋膜への柔捏の反応とも反しません。
また、この筋膜は足裏から後頭部頂点まで繋がっているということなので、やはり矛盾するところがありません。
納得がいったのでこの仮説でもっとアプローチをしてみようと思い、自分の判断からするとここが利くはずと診断した足首のツボに鍼を打ってみました。
すると、土踏まずから足拇指にまで電気が通ったような反応がありました。
これで一層の納得がいきました。
後頭部から足裏までつなげて行っている平素の練習の負担が、この構造を支える母指球に出ていたということなのでしょう。
これは良い、練功へのアフター養生が見つかりました。
のみならず、これまで教わったことを総合した自力での研究による鍼の治療経験としても、非常に素晴らしい経験となりました。