すごい物を観ました。
バーフバリの監督の新作インド映画「RRR」です。
監督、主演俳優二人のイニシャルがみんなRなのでタイトルだということなのですが、それのみならずきちんと作中でも意味がもたらされる作りになっています。
パルプ・フィクションのように劇中のチャプターとして出る三つのサブタイトル「STORY」「FIRE」「WATER」の三つの言葉の中のRが文字色を変えて強調されています。
この三つの言葉はただのこじつけではなくてしっかり内容を表現した言葉として機能しています。
つまり、この映画は炎に象徴される男と水に象徴される男、二人のお話なのです。
となるとこれ、必然東洋の身体哲学について書き続けているこのページにおいては陰陽思想の映画として観ることになるわけですが、本当にストレートにそういう映画なんですよ。
中国の陰陽思想はインドから伝来したものだし、武術もしかりであるということを何度も書いてきて、そのたびにインドの神話やヨガについて書いてきましたが、まさにこれ、その集大成のような映画なのです。
陰と陽の二人の男が強い絆で結ばれるシーンでは、それぞれが持っている割れたペンダントが合わさって一つの陰陽マークになる絵面も描かれます。
私がこれまで書いてきた、シヴァ神→ラーマ王子→中国と繋がるアジアの身体哲学がまんまストレートに描かれる映画なのですが、これ、逆に言うと予備知識がないとそういう映画だと分からない可能性はあります。
前作の「バーフバリ」でも、シヴァ神の男根であるご神体、シヴァリンガを主人公の少年が滝の下に運び、それをスタートとして嫁探しの旅に出るという陰陽和合の性的エネルギーの物語であったのに、日本では多くの視聴者があのご神体がなんなのか分かっておらず、いまいち映画の意味が伝わっていないということが実情としてありました。
そういう訳で、今回、余計なお世話として大傑作映画「RRR」をもっと楽しむために、私がトピックしたい部分を説明してゆきたいと思います。
ネタバレお断りの方は、ぜひご鑑賞の後にお読みください。
つづく