ちょっと、このところ、公開中の映画に関する記事を優先してしまって、こちらの記事の内容が古くなってしまっているかもしれません。
さらに記事を書いてから公開までにラグがあるので、より内容が古くなってしまっている可能性があります。
最新の世界情勢に関しては、気になられた方は各自信頼できるソースから確認ください。
今年の秋から、イランではヒジャブの着用が不適切だったとして女性が官憲に拘束された後に死亡した事件をきっかけに、国内でデモが相次いでいると言います。
このデモは日本で報道されている以上に激しい物で、付け火や暴動などになっているとさえ聴き、衝突によってさらに死傷者が出ているともいいます。
そのために民衆の怒りはさらに激化し、事態はより深刻度を増しているそうです。
初めに亡くなった女性はクルド系民族の方だったため、衝突にはイラクから反政府組織も参加してきているそうで、こうなればもはやことは国の大事と言いえるでしょう。
窮した政府の側は、これは初めからアメリカが国を揺るがすためにクルドの女性を送り込んでいたのだ、という陰謀論を唱え始めてまでいるそうです。
このイラン製のドローン兵器が、ロシアで使われていることが報道されています。
ある識者はこの結果を見て、恐らくはロシアとイラクの現体制はこのまま滅びるだろうと予測しています。
これも日本ではほとんど報道されていないようですが、現地アメリカ大使館などによると、ロシアでは徴兵に反対して徴兵事務所へのデモや焼き討ちなどが発生しているとのことです。
どちらの国も、ともに権威主義とそれをささえる宗教意識によって国民をコントロールしてきましたが、各国民が情報力を手に入れた現在、それまでのようには立ち行かなくなって暴動に繋がっています。
政府側は陰謀論で情報に対抗しようとしていますが、それでもまだ抑えられない。
そのような、国体が揺るぎ始めた国同士が軍事的提携をするに至るというのは、弱国同士の連帯であり、 かつての悪の枢軸国と言う言葉を思い出させられます。
だとしたら、そのまま政権が滅びてゆくということは充分に考えうると思われました。
このように物の因果の流れを読むのは、まさしくタオですね。
しかしこのような権威主義国家だけをみて衰退をうらなうには及びません。
最近の調査で、アメリカ合衆国では国民の40パーセントが陰謀論を信じているとの報道がありました。
これは、人類全体がバカになっているのか……あるいは、バカの統計が可視化されているだけなのか……。
陰謀論者によるホワイト・ハウス襲撃事件は時代を象徴している物でしょう。
襲撃者たちの弁護士は「私のクライアントたちはショートバスなんだ」と発言して彼らが可哀そうな弱者だというアピールをしていたそうです。
ショート・バスとは特殊学級の生徒が乗るスクール・バスのことだそうです。言わんとしていることは理解が可能ですね?
アメリカでは、連続殺人事件でさえ、自己愛性人格障害で責任能力なしで無罪という判決が下ったことさえあると言います。
自己愛性人格障害ってのは、ネットでよく見かけられるその辺のバカのことですよ。
しょうがない近所のバカだと思っていた連中が、世界規模で見ると非常に深刻なことになっている。
こういう連中にとっての信仰対象が陰謀論です。
それによって彼等は性差別をし、人種差別をし、民族紛争を起こし、カルトに傾倒して世界を悪い方向に引き下げ続けています。
このままでは、文化圏におけるバカと健常の分断はますます世界的に拡大してゆくことでしょう。
イラン政府を見ても分かるように、陰謀論とは常に権力と、そこにあっさり転がされてしまう大衆によってなりたつものです。
かの権威主義の国でさえ、人々は自分で正しいことを考え、行動に出ています。
私たちの国は、福沢諭吉翁が曰くには、数千百年(ちょっとこの表現は盛りすぎな気もしますが)の古から政権によって民の気力が奪われれて、古くは鬼のように怖れ、いまでは神のようにあがめるような卑屈な国民性が染みついていると言います。
すなわち元から自立の気質が乏しく、奴隷根性が甚だしい。
陰謀論やカルトが育つにはうってつけの土壌でしょう。
現在、世界の七割ほどが権威主義国家となっていると言います。
当然、権威主義国家とは反知性主義国家です。
陰謀論で国民が操るような国のことです。ロシアを見ればよく分かりますね。
日本もまた、同様の権力構造が根深い。
目を覚ませる人が目を覚まし、どうにかやってゆかないと。
この分断が激しい憎悪を伴った闘争に激化してゆけば、その結果として考えられるのは二つです。
バカが勝てば、時代はまた逆行し、階級社会となって民族紛争や宗教闘争が起きることでしょう。
バカはそういうことで本当に自分たちを抑圧している政権から簡単に目をそらされるからです。
健常者が勝てば、バカを下層とした資本主義的階級社会が一層に厳しくなることでしょう。
いずれにせよ、心温まる話ではない。