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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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私たちは老いて行っている 1

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 最近、とみに自分の年齢について意識させられています。

 少し上の世代の人たちが「最後の仕事」ということを意識されているのを見たりすると必然頭で知覚はするのですが、実際に自分の年齢を体感するのはもうすこしハタのことからであることが多くなってきました。

 例えば先日、仮面ライダーの新作の評判を耳にしたのですね。

 私の世代は、本当に小さい頃は仮面ライダーが何人もそろったソフビ人形で遊んでいた物ですが、それだけメンツがそろっているということは実際にオンタイムで見たわけではありませんでした。

 物心がついてきて理解して見るようになったのは中学生くらい。仮面ライダー・ブラック放送時で、当時「うしおととら」を連載していたサンデーで漫画の連載も観ていたあったと記憶しています。

 当時はまだ改名前だったのかな? バブル期の生意気な中学生としては、石森作品は正直ちょっと古いと感じていました。

 しかし、テレビ版は非常に格好が良くて、まず仮面ライダー独特の、スーツがずんぐりむっくりしたところがなく、非常に細身であるというところが良かった。

 また、関節部にちょっとグロテスクな筋繊維が見えているなどのディティールも良く、敵組織が神話的な存在であるというのもファンタジー・ブームにも合致していて好みにあっていました。

 ブラックは私にとっての唯一の自分の世代の仮面ライダーということになった次第です。

 この作品が昨今、ネット配信ドラマとしてリメイクされたそうですね。

 私はドラマは観ないのですが、どのような物かと言う評判だけ目にしました。

 平素好きで見ている何人かの映画評論家(プロ)の話などを参考にするに、どうやら今日の政治環境と非常に密接なお話だそうです。

 主人公の仮面ライダー・ブラックは、なんと50代。私より年上です。

 詳細は知らないのですが、もしかしたら前作の時と同じ年齢の設定で、そのまま作中でも現実と同じ時間が流れている、ということなのかもしれません。

 粗筋はどうやら、怪人たちが被差別人種となっているという環境の中で、政権与党の党首が彼らを庇護する代わりに票田として利用している、というものだそうです。

 上に書きましたが、元々仮面ライダー・ブラックの敵組織と言うのは、神話的、宗教的な存在なのですね。

 この作品が何をモチーフとしているかは明白です。

 このようなところと、実在政治家をそっくりに演じている俳優陣の好演から「政治性が強い」と評されているのですが、あるタレントさんが曰くには「これは実際の50代向けの作品ではない。もっと若い層向けだろう」とのことだそうでした。

 だとすると、ここでまたしても忘れ去られている我々「失われた世代」の氷河期組の断絶が感じられてきます。

 

                                                つづく 


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