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Channel: サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ
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狭馬の剛直

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 老師からの五祖拳の教授が進んでおります。

 こういう世界的なパンデミックだという時世があって、物凄い勢いで深い伝承を教えていただいております。

 私自身もまた、自分が得ている武術の教伝を、同じ理由で期間限定で早めて解禁しています。平時ならそう簡単には伝える訳にはいかない内容を、オンラインにてお伝えしています。

 なにせ私もいつ死んでもおかしくない。

 さて、このように幸禍あざなわれた環境の中で、学べている五祖拳、白鶴五祖拳とか五祖白鶴拳などと称されるように福建白鶴拳類の物なのですが、これが実に独特の風格があります。

 白鶴拳類には女性開祖説の物があるように、単なる防身術であったりまたは柔らかな風格があったりする物もあるのですが、五祖拳は白鶴拳化する前の羅漢拳等少林拳の風格が強くあり、実に剛直な拳風が感じられるように思います。

 同じ門の五祖拳の中でも、五祖拳をやるときと白鶴拳をやるときでは動きそのものを変えるように指示されています。

 今回習っている内容で、また一つその五祖拳剛直印象が深まりました。

 相手の中にどんどん入っていって、勁で相手をなぎ倒すような動作が多用されています。

 また、白鶴拳では手を羽のように使って流す手法が多いのですが、五祖拳では爪でふん捕まえて一撃食らわせるという生々しい用法が多々登場いたします。

 格闘技を引退して中国武術に入った当初、私は自然な立ち方をする狭馬の門派が好きでした。

 というか、歩幅を拡げる大馬の武術は徒手では使いにくいように感じていました。

 しかし、蔡李佛で大馬の方を専らとしていた結果、大きな歩幅がフォーマットとして入りました。

 いま、狭馬で剛直な五祖拳を学んでいると、そこにある種の生々しさのような物を感じるようになりました。

 迫力と言っても良いかもしれません。

 これは同じ狭馬の客家拳を学んでいた時も感じたことなのですが、生身の喧嘩術のような感覚があります。

 こう書くとちょっと印象が悪い部分もあるとも思えるのですが、生々しい民族文化の力強さの体感だということです。

 ですが半面、急に形意拳のように軽快になる場所がまた出て来て驚きました。

 自然ぽく立っているだけに、変化の多様性に富んだ懐の深さがあるということなのかもしれません。


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