昨日はグランド・マスターから直々の指導を受けることが出来、非常に勉強になりました。
面白いのは、グランド・マスターからの注意点として、スタンス(立ち方)は後ろ重心の平馬だと言われたことです。
フットワークをしやすいように自分流で立っていいと言われることが多くのフィリピン武術では多いと思われますが、これは面白いところでした。
蔡李佛と同じ要訣なので、私には大変むいています。
とはいえ、これはあくまで技の世界なのです。
きちんと立ち、猛烈に打ちまくることを重視しながらも姿勢が崩れることを戒めている珍しいタイプのフィリピン武術ですが、やはりそれでも技の世界の範疇の武術であることには変わらないのです。
術の世界とはしていることが違う。
私のしている蔡李佛では、術を尊び功を基準とします。
変化に富んで他者との競り合いに優るという技ではなくて、たった一つの中核を深めてゆきます。
この二つは、決して混同してはいけない部分です。
功は言うならば信念に似ています。
あっちにもこっちにも行く信念などと言う物はもう信念ではない。
技は変化して良いが、信念は一つです。
キリスト教の司祭であり、仏教の阿闍梨であり、ユダヤ教のラビであり、回教のアホンであるというような人は居ません。
そのような、及び腰で安全なところに重心を置いた選択は不可能なのです。
そして、技と功を分明せずにいることは非常に危険なことです。
私がアルニスとカンフーを両方行うのは、それぞれが非常に似た形でいる物の、同根から別々に進化してきた別物であるからです。
功を持ってアルニスの練習をしのいでしまえば、一向に技は上達しないでしょう。
技で人と競り合ってごまかしてしまっても、カンフーの功はまるで深まりません。
そのために、これらを別々に学んで身につけてゆくために、我々はそれぞれを学ぶ土壌を作ってきているのです。
帰国すれば、日本で唯一のラプンティ・アルニス・デ・アバニコと蔡李佛が学べるクラブになります。
大変に楽しみなことです。